日本では大きなイベントが2019~2020年に相次ぎ、これに乗じたサイバー犯罪やリスク増加が懸念される。対処すべきリスクと対策について紹介する。
2019年から2020年にかけて日本は社会的に大きなイベントを複数迎える。2019年9~11月のラグビーワールドカップ、2020年7~9月の東京オリンピック・パラリンピック競技大会がその筆頭だ。こうした社会的行事が企業に与える影響は小さくない。これに乗じたサイバー犯罪やセキュリティリスクが増加する可能性があるからだ。どのようなリスクを想定してどんなセキュリティ対策が必要なのかを、トレンドマイクロによるレポートや注意喚起を基に紹介し、改元や増税に備えて企業がすべき行動を考察する。
人の心理的な隙に付け込む攻撃手段「ソーシャルエンジニアリング」を活用したサイバー攻撃が勢力を増している。取引先を装って金銭をだまし取る「ビジネスメール詐欺」(BEC)がその例だ。スポーツや政治関係の大きなイベントを題材にした、多くの人の不安感をあおるような詐欺行為が横行する可能性がある。トレンドマイクロの予測レポート「2019年セキュリティ脅威予測」によると、同社は一般データ保護規則(GDPR)に絡んだ脅迫が発生する可能性を予想する。「情報漏えいに関する脅迫の際に、GDPRの罰金額や制裁金上限額などを前提とした額の金銭を要求する恐れがある。これはGDPRの罰金を払うより身代金を払った方がよいと判断するケースを見込んだ手口だ」(同社)
巧妙な脅迫メールによる被害を防ぐには、ITリテラシーやセキュリティに関する教育プログラムを利用して社内教育を実施することが大切だ。こうしたボトムアップの対策だけでなく、トップダウンの対策も必要になる。例えば振込先情報の管理や高額の支払いプロセスなど、重要な手続きに関わるフローに不備がないかを見直すとよいだろう。そのためにシステムの運用体制を評価してくれるコンサルティングサービスを利用するのも一つの方法だ。攻撃手法や傾向などの脅威情報を集約したデータ群「スレットインテリジェンス」を基に、機械学習やAI(人工知能)エンジンなどの分析手法を使って悪質なメールを検出するメールセキュリティ製品も役立つ。
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従来のSOCは、AIや機械学習を用いた高度な攻撃に対処できなくなりつつあり、可視性とコンテキストの欠如や検証の複雑化など、さまざまな課題が山積している。この状況を改善するには、人手に頼ったSOCモデルから脱却する必要がある。
比較的新しい製品分野である「SD-WAN」にも、早くも変化が起こり始めている。SD-WANは今後、どう進化するのか。「SASE」といった関連技術との関係性を踏まえながら、“次世代SD-WAN”の方向性を探る。
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サイバー攻撃による被害は、金銭的な損失だけでなく、信用の失墜や業務継続への支障といった経営上のリスクに直結する。このようなリスクへの備えとして有効なのが、「脆弱性診断」だ。脆弱性診断の目的や実践方法について解説する。
昨今、組織のネットワーク外に分散したエンドポイントが、攻撃者にとって格好の標的になっている。このような中でエンドポイント保護の新たな形として期待を寄せられているのがEDRだ。しかし、運用が難しいなどの課題も多い。
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