クラウド勤怠管理システムの選び方
情シスが知っておきたい、人事のお仕事カレンダー(1/2 ページ)
勤怠管理業務のシステム化プロジェクトは、人事や総務と情報システム部門が密に連携して進める必要がある。「人事部門の繁忙期」を知らずにいると、思わぬところでトラブルが起きかねない。
勤怠管理業務のシステム化というプロジェクトは、サービスベンダーと情報システム部門だけで推進し、成功に導くのは難しい。それぞれの企業ごとに異なる就業規則に合わせる必要があるだけでなく、管理の仕方やニーズも企業ごとに異なるからだ。プロジェクトの成功には、業務をよく知る人事部などの就業管理担当や給与業務担当と、情報システム部門の密な連携が不可欠となる。
今回は主に情報システム部門の読者の方々に向けて、人事担当者の仕事をお伝えし、人事が忙しい時期はいつなのか、人事にシステム導入への協力を得やすいのはどのタイミングなのかを紹介する。
いま、人事はとても忙しい
前提として、多くの企業で「いま人事は忙しい」という事実を共有したい。「『2019年こそ勤怠管理システム導入の好機』といえる3つの理由」で示した通り、2018年第3四半期の有効求人倍率は1974年以来、44年ぶりの高水準を記録しており、深刻な人手不足の状態にある。
採用の成否が企業の存続を左右する可能性もある時代、採用業務は季節業務ではなく通年業務になってきている。さらにコンプライアンス強化の流れの中で、人事の管理すべき項目は増加する一方だ。
こうした状況の変化が原因で、人事関係者の仕事量はここ数年で大幅に増加している。情報システム部門の方々にはこの点をご理解いただき、人事の方々に寄り添っていただければと思っている。
人事の協力を得たければ7月後半から11月を狙え
一般的な人事の年間スケジュールにおいて、定型業務が比較的少なく、システム検討やシステム導入を進めやすい時期は、7月後半から11月だ。届け出業務の多い人事の仕事は、会社が変わっても年間スケジュールは似通ってくる。
以下に、4月から翌年3月までの間に発生する人事の業務を月別で並べた。なお「採用活動」については、イベント準備や選考などさまざまな業務がある。新卒だけでなく中途やアルバイトの採用もあることと、昨今は新卒採用が年中行事化していることもあり、項目を細分化せず「採用活動」とひとまとめに表現している。
| 4月 | ・採用活動 ・入社式 ・新入社員の健康保険や厚生年金保健に関する資格取得届の提出 ・新入社員の雇用保険に関する資格取得届の提出 ・健康診断の申し込み ・36協定(時間外休日労働に関する協定届)の更新、届け出(4月起算の会社の場合) |
|---|---|
| 5月 | ・採用活動 ・夏季賞与の準備 |
| 6月 | ・採用活動 ・夏季賞与の決定支給 |
| 7月 | ・採用活動 ・労働保険の概算・確定保険料の申告および納付(年度更新)の期限(毎年7月10日) ・健康保険、厚生年金保険の算定基礎届の届け出期限(毎年7月10日) |
| 8月 | ・採用活動 |
| 9月 | ・採用活動 |
| 10月 | ・採用活動 |
| 11月 | ・採用活動 ・年末調整の準備 ・冬季賞与の準備 |
| 12月 | ・採用活動 ・年末調整実務 ・次年度における給与所得者の扶養控除の確認 ・次年度の賃金台帳の準備 ・冬季賞与の決定、支給 |
| 1月 | ・採用活動 ・源泉徴収票など法定調書および合計表の提出 ・給与支払報告書の提出(各従業員在住の市区町村へ個別に提出) ・退職所得の源泉徴収票や特別徴収票の提出(各従業員在住の市区町村へ個別に提出) |
| 2月 | ・採用活動 |
| 3月 | ・採用活動 ・新入社員の受け入れ準備 ・人事異動の準備 ・定期昇給の準備 ・定年退職対象者の確認 ・入社式の準備 ・決算の準備(3月決算の場合) |
届け出提出期限がいずれも毎年7月10日となっている「労働保険の概算・確定保険料の申告および納付」と「健康保険や厚生年金保険の算定基礎届の届け出」は、期限ギリギリになりやすく、人事労務担当者にとってはプレッシャーのかかる大きな山となっている。ただ、それを超えた7月後半から11月は、一転して人事にとっては最も定型業務が少ない期間となる。重要だが緊急ではない業務、いわゆる第2領域(スティーブン・R・コビー『7つの習慣』による)に取り組むチャンスとなるわけだ。人事業界向け商談展示会「HR EXPO」が、第1回開催の2013年から6年続けて7月に開催されているのも、こうした人事のスケジュールを意識した配慮だろう。
以上の理由により、情報システム部門の方々が人事担当者の積極的な協力を得たいのであれば、7月後半から11月の時期を意識したスケジュール策定をお勧めする。
余談ではあるが、人事の業務の中には非合理かつ手間のかかる仕事も多い。例えば1月に記載した給与支払報告書は、従業員の住んでいる市区町村ごとに異なるフォームが存在しており、手間とストレスの多い業務となっている。人事のこうした苦労も、多くの方に知っていただく意義があると考える。
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クラウド勤怠管理システムの選び方
パート、アルバイト、正社員など、社内で働く全てのメンバーが利用する勤怠管理システムは、一度導入したら他のシステムに変更するのはなかなか大変だ。だからこそ、できるだけ多くの方が、自社にぴったりの勤怠管理システムに出会えるよう、この連載を進めていきたい。
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