人事部門は人材分析(people analytics)ツールを効果的に使えていないというのが全世界で行われた新たな調査の結論だ。この調査では、期待に反して「大幅な後戻り」と評されている。
全世界で行われた新たな調査では、企業が人材分析(people analytics)ツールを使う能力が「大幅に後戻り」しているという。この調査は、人材育成サービスを提供するDDI(Development Dimensions International)、非営利の民間調査機関である全米産業審議会(The Conference Board)、EYGM(世界的に会計、税務処理支援サービスを提供するErnst&Young Globalグループの1つ)が共同で行ったもので、報告書は最近公開されたばかりだ。この報告書によると、ツール使用の成功率は上がっているどころか下がっているという。
人材分析ツールは、カンファレンスや学会、ブログや各メディアの記事で「着実に取り上げ」られ、力強い取り組みが行われているにもかかわらず、多くの人事(HR)部門は人材分析ツールの使用に悪戦苦闘していると報告書は伝えている。
「Global Leadership Forecast 2018」(2018年度のグローバルリーダーシップ予想)と題された報告書によると、調査で比較した全ての種類のアナリティクス(分析)で、ここ3年の成功率が低下しているという。3年ごとに実施されるこの調査では、世界各地のビジネスリーダー約2万6000人、人事(HR)専門家2550人、経営幹部1000人、成長が見込まれる従業員1万人からデータを集めている。
「アナリティクスでは前向きな動きを感じられると確信していた。だが、多くのケースで反対の結果が出た」とDDIのエバン・ジナー氏(主任サイエンティスト兼バイスプレジデント)は話す。同氏は、産業・組織心理学の博士号を持っており、現在は行動研究を目的としたDDIセンターに勤務している。
報告書では「2014年に比べてアナリティクスを試した企業が増えているが、こうした試みは成功したものよりも失敗に終わったほうが多かった」としている。例えば、従来の形式での測定方法では、人材分析ツールの使用に成功した企業は平均21%にすぎなかった。新たな形式の測定方法である「リーダー志向型学習モデル」(leadership planning model)などの成功率は、さらに下回っている。
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