チャットbotを利用して履歴書を短時間で選別し、感情を分析して社内の空気をしらけさせる人物を除外する。そうなれば、雇用の決定を人間に頼る理由はあるだろうか。
高校時代に女子生徒からもっと笑った方がいいよといわれたことがある。それ以来、自分の普段の表情は誤解されやすいのかもしれないと疑問に思ってきた。当人にはそんなつもりはないのに、怒っている、あるいはいら立っていると受け取られる。
だが、Affectivaの感情分析スマートフォンアプリ「AffdexMe」を使ったところ、自分の表情には感情が検出されなかったので安心した。目を見開いた表情を装うと、初めて恐怖のスコアが50%を超えた。無理して笑顔を作ると喜びのスコアが100%になった。自分の場合、笑顔は常に純粋な喜びを表していることになる。今までずっと怒っているふりをする方法が分からなかったが、上唇の片側を丸めれば軽蔑のスコアが上がることを知った。
AffdexMeは、人材採用プロセスを自動化するために人工知能(AI)を活用する新しいアプリケーションの1つだ。感情分析や採用チャットbotなど、人事向けアプリケーションは増加を続けている。
これらのツールは採用プロセスの初期段階をターゲットにする。具体的には、基本的な情報処理、選別、意思決定の段階がこれに当たる。この段階を全体的に自動化する好機が来ていることは間違いない。数百枚もの履歴書に目を通し、候補者をふるいに掛ける作業は時間がかかる。ミスも起こりやすい。そのため、人間が行うのと同じ仕事を10分の1の時間で対応できるという採用チャットbotのベンダーの主張には説得力がある。
次に待つのは、候補者を相手にやりとりする比較的退屈なコミュニケーションだ。候補者に詳しい情報を要求し、面接の予定を取り決める段階がこれに当たる。Eコマースサイトで消費者が出くわすチャットbotと同様、この仕事にも採用チャットbotがうってつけだ。
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