深層学習(ディープラーニング)システムでは、人間の目で判別できない顔の不随意反応を分析できる。人事部の担当者はその結果を利用し、あなたが社風に合うかどうかを見極めることが可能になる。
ポーカフェースを気取っても、感情分析ソフトウェアは本音を見抜いてしまう。感情分析ソフトウェアのアルゴリズムは動画を分析し、人間の目では分からない、0.25ミリ秒という一瞬の不随意反応による表情を特定できる。このテクノロジーは採用候補者の評価に使用できる。信頼に足る人物であることをアピールしようとしても、感情分析ソフトウェアによって不安な気持ちが検出される。
これは、あなたを困らせる機能だろうか。
セキュリティの分野には、感情分析の使用事例がある。それは、人混みの中から脅威を検出することだ。感情分析は市場調査にも使用され、遠隔治療で患者の診断に役立つ可能性も秘めている。このような分析を可能にしているアルゴリズムと深層学習テクノロジーは、人事部でも利用できる。
人間には、「不快」「喜び」「悲しみ」「驚き」「怒り」「軽蔑」「幸せ」という7つの基本感情がある。これらの感情はミリ秒で顔に表れる。ベンダーは動画を分析して、質問への反応から人格評価を作成できる。その目的は、自社の社風に適した人物を見極めることかもしれない。
アナリストによると、人事部が感情分析テクノロジーを導入するようになってから、まだ日が浅いという。また、損害を与える可能性から感情分析テクノロジーの導入を見送っている人事部もある。
この状況を最近明らかにしたのは、スタンフォード大学で研究を行っているイラン・ワン氏とマイケル・コジンスキー氏だ。彼らはある論文の中で、顔の表情変化を読み取るテクノロジーで写真を解析すると高い精度で性的指向を特定できると記している。この論文の目的は、既に直面している可能性のあるリスクを世間に認識してもらうことだ。
このようなリスクには、政府が感情分析を差別的な方法で使用する可能性が含まれる。だが、潜在的に強力な他のテクノロジーと同様、悪用の危険性を理由に感情分析テクノロジーが棚上げされることはないだろう。
“人材運用システム”を提供するHarriでCEOを務めるルーク・フライアー氏は、感情分析テクノロジーに興味を示している人物の1人だ。このシステムには、人材管理に必要なあらゆるものが含まれている。具体的には、採用、トレーニングの管理(スケジュールや時間、参加状況管理など)、パフォーマンス分析だ。
Harriは、iPadベースのタイムレコーダーに顔認証テクノロジーを使用している。インタフェースは双方向コミュニケーションに対応し、会社からの通達と従業員からのフィードバック収集の両方に使用できる。例えば、レストランで働いている人に本日のお勧め料理の写真や動画を提示し、従業員がその料理について瞬時にフィードバックを送れるようにしているとフライアー氏は語る。
「Harriの顔認証システムは、退勤時の気分を検出するのにも使用できる」(フライアー氏)
この機能はまだ導入していないが、フライアー氏は導入を保留していることはオープンにしている。
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