RPAで深刻化、仕事の手順を勝手に変える「ビジネスプロセス詐欺」(BPC)とは?不正送金や支払先改ざんを引き起こす

企業の支払いフローを改ざんし不正送金させる「ビジネスプロセス詐欺」(BPC)のリスクが、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)ツールの普及とともに増加する恐れがある。具体的な対策は何だろうか。

2019年04月22日 05時00分 公開
[大久保 心織TechTargetジャパン]
画像

 業務プロセスを自動化し、効率的な業務の遂行を実現する「ロボティックプロセスオートメーション」(RPA)ツールが企業に広まりつつある。RPAツールは業務効率化といったメリットを企業にもたらす一方で、使い方によっては新たなリスクを生み出してしまう可能性がある。RPAツールの運用に伴うリスクと、その対策を紹介する。


業務プロセスを勝手に改変するビジネスプロセス詐欺(BPC)

 企業を狙ったサイバー攻撃の一つに「ビジネスプロセス詐欺」(BPC)がある。攻撃者が業務プロセスを不正に改変し、金銭や機密情報をだまし取る攻撃手法だ。BPCにおいて一般的に攻撃対象となるのは金銭の授受に関わるシステムで、例としては給与振込に関わるシステムや商取引の請求支払いシステムなどがある。攻撃者はシステムに偽の送金を要求する命令を与えたり、システムに登録済みの送金先情報を改ざんしたりといった行為により金銭を詐取する。

 こうした振込業務をRPAツールで自動化している場合、攻撃者がRPAツールを介してBPCを仕掛ける恐れがある。トレンドマイクロは同社のレポート「2019年セキュリティ脅威予測」において「BPCの新たな糸口として、自動化された業務プロセスを攻撃者が狙うようになる」と予測する。

 RPAツールを利用する企業がBPCに対処する場合、どのようなセキュリティ対策が有効なのだろうか。

ロボットの管理とRPAツールの保護が有効

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news175.png

製造業の8割が既存顧客深耕に注力 最もリソースを割いている施策は?
ラクスは、製造業の営業・マーケティング担当者500人を対象に、新規開拓や既存深耕におけ...

news105.jpg

「生成AIで作った広告」が物議 そのとき、コカ・コーラはどう動いた?
生成AIを広告制作に活用し、議論を呼んだCoca-Cola。この経験から何を学んだのか。

news028.jpg

新規顧客獲得と既存顧客のLTV向上、それぞれのCRO(コンバージョン率最適化)について
連載第4回の今回は、新規顧客の獲得と既存顧客のLTV(顧客生涯価値)、それぞれのCRO(コ...