インターネット証券会社のauカブコム証券は、さまざまなログを分析して内部不正対策に取り組んでいる。だがそこには人手だけでは対処し切れない課題があった。それはどのようなものか。
情報漏えいは外部からの不正アクセスだけでなく、従業員の内部不正が原因になることが少なくない。特に金銭そのものを扱う金融機関の場合、システムやデータを操作・閲覧する権限を持った従業員による内部不正を防ぎ、法令を順守させることは重要な責務になる。
インターネット証券会社のauカブコム証券も、内部不正対策に取り組む金融機関の一社だ。インシデントレスポンスの専門組織である「k.CSIRT」(kabu.com Cyber Security Incident Resilience Team)の設置といった外部不正対策に加えて、内部不正対策にも余念がない。その具体策として同社が設置した部署が「コンプライアンス・リスク管理部」だ。
外部不正対策と同様、内部不正対策の運用は簡単ではない。auカブコム証券の従業員数は2020年6月時点で200人に満たない。決して十分とは言えない人手で、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)公開をはじめとするサービス拡充と、内部・外部不正対策を同時に推進しなければならない。
特に内部不正対策は「チェックに時間がかかることが課題でした」と、コンプライアンス・リスク管理部でシステムリスク管理グループ長補佐を務める伊藤公樹氏は述べる。ログを集めて分析するにしても、分析対象となるログの当たりを付け、分析し、チェックする一連の作業には時間と手間を要する。複数の事象があれば相関的な見方も必要になり、さらに時間がかかることになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
生成AIの活用、意外と進んだマーケティング部門と進まない営業部門 どうして差が生じた?
HubSpot Japanが実施した「日本の営業に関する意識・実態調査2025」のポイントを、記者説...
Webサイト改善のゴール(KGI)と戦略(KPI)の決め方
連載第2回目となる今回は、Webサイト改善のためのゴール(KGI)と戦略(KPI)の設定方法...
メルマガをきっかけにした商品購入、B2B商材ではどれくらいの人が経験?
ラクスが「メルマガに関する調査レポート」を公表した。メルマガ経由のサービス購入や資...