膨大なログを相関的かつ効率的に分析できる内部不正検出システムを導入したauカブコム証券。その効果とは。同社担当者が語る。
前編「auカブコム証券を煩わせた『人手でのログ確認』 その課題とは?」は、インターネット証券会社のauカブコム証券が内部不正対策で抱えるさまざまな課題を取り上げた。同社の内部不正対策の司令塔である「コンプライアンス・リスク管理部」は膨大なログを手動で精査、分析しており、その手間は同部署にとって悩みの種になっていた。
その解決策として、コンプライアンス・リスク管理部はログの収集や分析を支援する内部不正検出システムを導入した。内部不正検出システムを利用することで、以前からチェックしていた印刷ログと入退室時の顔認証ログに加え、さまざまなログを相関的かつ効率的に分析できるようになった。分析対象は資産管理ソフトウェアで収集しているPC操作のログ、サブスクリプション方式のオフィススイート「Microsoft 365」(「Office 365」)のメール送受信ログ、勤怠管理ログなどだ。
auカブコム証券は内部不正検出システムの中核要素として、エルテスのサービス「Internal Risk Intelligence」(IRI)を採用した。IRIはさまざまなログを集約して、AI(人工知能)エンジンやエルテスの専門アナリストが従業員の行動を分析。不正アクセスや従業員によるデータ持ち出しなどインシデントにつながる恐れのある行動を発見して警告する。
「利用規模に見合った適正な料金かどうかなど、当社の要件に合った内部不正検出サービスはあまり候補がなく、ほぼ1択の状況でした」と、コンプライアンス・リスク管理部でシステムリスク管理グループ長補佐を務める伊藤公樹氏は語る。同社は2019年6〜9月にPoC(概念実証)を実施して、分析に要する負荷軽減の効果が得られると判断してIRIの導入を進めた。正式に利用を開始したのは2020年2月だ。
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