サイバー攻撃の成否を左右する「なりすましメール」。学習者や教職員をなりすましメールから保護するために、教育機関はどのような対策を取ればよいのか。
送信元のメールアドレスを偽装する「ドメインスプーフィング」の手法を活用して、正当な送信者を装う「なりすましメール」を送信する攻撃手段がある。なりすましメールは、サイバー攻撃を成功させるのに必要なデータを探すための「餌」の役割を果たす。なりすましメールはまるで本物かのように偽装してあり、学習者や教職員は意図せず悪意のあるメールを開封してしまう恐れがある。
学習者や教職員が疑うことを知らなければ、安全なメールと詐欺メールを見分けることは難しい。英国の大学に所属する最高情報セキュリティ責任者(CISO)の中には、「人為的なミスが最大の脆弱(ぜいじゃく)性だ」と考える人もいる。
なりすましメールの影響を軽減する方法の一つに、メールの送信元ドメイン認証技術「DMARC」(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)の導入がある。DMARCは、信頼できるドメインからメールが送られたことを保証する主要な技術だ。
DMARCを活用する組織は、メールのドメイン認証ができなかったとき(受信したメールになりすましの可能性があるとき)の対処方法を幾つかの選択肢から選んで実装できる。最も厳しい設定である「Reject」を実装すると、なりすましの可能性があるメールは全て、学習者や教職員といったエンドユーザーに届かなくなる。これにより教育機関は、特定のブランドになりすまそうとしている攻撃者から学習者、教職員、取引先ベンダーのスタッフを守れる。
第3回は調査結果を基に、教育機関のDMARC活用状況を紹介する。
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