Appleは、「Mac」「iPhone」やWebブラウザ「Safari」に影響を及ぼす脆弱性のパッチを公開した。この脆弱性により引き起こされる事態と、対策方法について紹介する。
Appleは2022年8月、同社製のデバイスやブラウザに影響を及ぼす可能性のある、2つのゼロデイ脆弱(ぜいじゃく)性を公開した。ゼロデイ脆弱性は、ベンダーが欠陥を解消する前に攻撃に悪用される脆弱性だ。同社が公開した脆弱性は、「iOS」「iPadOS」「macOS Monterey」といったOSや、Webブラウザ「Safari」が影響を受ける可能性がある。
2つの脆弱性には、「CVE-2022-32893」「CVE-2022-32894」という識別番号が付いている。どちらも境界外書き込み(メモリ領域外への書き出し)に起因する欠陥であり、Safariが使用するレンダリングエンジン群「WebKit」と、OSのカーネルに影響を及ぼす。どちらの脆弱性についても既に悪用された可能性が報告されており、Appleはパッチ(修正プログラム)を至急適用する必要があると述べている。
サイバー攻撃者はCVE-2022-32893をどのように悪用するのか。まず、攻撃者はWebサイトを作成する。標的となるユーザーがそのWebサイトを訪問した際に、攻撃者はCVE-2022-32893を悪用して任意の悪質なコードを実行する。その結果、攻撃者はユーザーのデバイスを完全に制御できる可能性がある。
もう一つの脆弱性CVE-2022-32894については次の通り。攻撃者はこれを悪用し、マルウェアを利用してカーネルモード(制限なくコンピュータの機能を利用できるモード)で任意の悪質なコードを実行する。この場合も攻撃者がユーザーのデバイスを制御できる可能性がある。カーネルの脆弱性は危険なセキュリティ問題の一つだ。そのためApple製品を利用する組織は、パッチの適用を優先的に実施すべきだ。
Appleのデバイスは自動アップデートが可能なため、既にデバイスにパッチが適用されている可能性がある。ユーザーは、以下のような経路でアップデートの状況を確認したり、パッチをダウンロードしたりすることが可能だ。
今回Appleがリリースしたパッチを含むOSのバージョンは以下の通り。
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