OpenShiftの牙城を崩す? ヴイエムウェアCEOが語る「VMware Tanzu」の強みとはVMwareラグラムCEOに聞く買収の真実【第4回】

VMwareは、市場で勢いを増すRed HatやNutanixなどの競合ベンダーについてどのように考えているのか。VMwareのCEO、ラグー・ラグラム氏に聞いた。

2022年10月11日 05時00分 公開
[Aaron TanTechTarget]

関連キーワード

VMware | CEO | サーバ仮想化 | ベンダー


 仮想化ベンダーVMware(ヴイエムウェア)のCEO、ラグー・ラグラム氏は、米TechTargetの取材に応じた。半導体ベンダーBroadcomによる買収後の事業戦略や、競合他社の動向を踏まえたVMwareの戦略に関するラグラム氏の発言を取り上げる。

ヴイエムウェアCEOが語る「Tanzu」の強み

―― コンテナオーケストレーター「Kubernetes」のディストリビューション(配布用パッケージ)として、VMwareの「VMware Tanzu」は、Red Hatによる「Red Hat OpenShift」と比べて、まだ普及度では見劣りするという見方があります。この点をどのように考えますか。

会員登録(無料)が必要です

ラグラム氏 VMware Tanzuの強みは、Kubernetesクラスタ管理製品の「VMware Tanzu Mission Control」など、豊富な製品群を有していることだ。開発・実行環境の「VMware Tanzu Application Platform」は、開発者がソースコードを本番環境に投入する速度を上げ、DevSecOps(開発、運用、セキュリティの融合)を効果的に実現するのに役立つ。VMware Tanzu Application Platformは2022年に登場したばかりの新製品なので、ユーザー企業がまだ少ないのは確かだ。

―― Red Hatと、仮想化やHCI(ハイパーコンバージドインフラ)を手掛けるNutanixは、クラウド関連製品を提供するために継続的に協業しています。競合他社の動向がVMwareのユーザー企業に及ぼす影響を聞かせてください。

ラグラム氏 競争が激しい仮想化市場では、Nutanixのような競合会社の1社が何か大きな出来事を起こせば、それを見て「VMware製品のユーザー企業になるべきではなかった」と考えるユーザー企業が少なからず現れるのが常だ。現実にはユーザー企業はもっと長期的な選択をする。当社製品のユーザー企業は、当社の実績と当社製品の優位性を認めている。


 第5回は、アジア太平洋地域における、今後のVMwareの市場戦略をラグラム氏が語る。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

事例 レッドハット株式会社

コンテナとVMを1つのクラスタ上で実行、米国防総省に学ぶIT運用最適化のヒント

従来型の仮想化プラットフォームへの過度な依存が原因で、柔軟性の低下や、モダナイゼーションの停滞といった問題に悩んでいた米国の国防総省。そこで採用されたのが、コンテナとVMを1つのクラスタ上で実行できる統合プラットフォームだ。

製品資料 レッドハット株式会社

仮想マシンのクラウドシフトとクラウドネイティブ化がもたらす15のメリット

これまで仮想化技術は、システム運用の効率化やコストの最適化などさまざまなメリットをもたらしてきた。しかし現在、仮想化基盤は拡張性やアジリティなどのメリットを享受するためにクラウドシフトが求められている。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

稼働後3年も障害なし、NTTコミュニケーションズのデータ活用を支えるストレージ

データ分析・利活用のニーズが高まる中、アクションのベースとなるデータも膨大な容量となり、今後も増え続けていく見通しだ。そうなると、各企業はデータ利活用基盤として、信頼性や拡張性の高いストレージを求めるようになるだろう。

製品資料 レッドハット株式会社

これまでの仮想化環境への投資を無駄にしない、クラウドネイティブ化の進め方

今日の仮想化分野では、低リスクで長期的に運用できるソリューションが模索されている。ポイントとなるのは、既存の仮想化環境を生かしつつ、クラウドネイティブアーキテクチャをスムーズに導入できる環境だ。その実現方法を紹介する。

製品資料 横河レンタ・リース株式会社

Windows 11への刷新はデータ移行が重荷、作業負荷を大幅に軽減する方法とは?

OSの移行には「データ移行」が付き物だが、その業務負荷の高さに悩まされているIT管理者は多いだろう。Windows 11への移行を進める前に知っておきたい、「データレスPC」の有効性や、導入で得られる“プラスα”のメリットを解説する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。