NASAのジェームズ・ウェッブ望遠鏡が撮影した画像を悪用したサイバー攻撃が発見された。この攻撃では“珍しい手法”を用いるという。その内容とは。
セキュリティベンダーSecuronixは同社の公式ブログで、NASA(米航空宇宙局)のジェームズ・ウェッブ望遠鏡が撮影した画像を悪用するサイバー攻撃について解説した。同社のアナリストであるデン・ルズビック氏、ティム・ペック氏、オレグ・コレスニコフ氏は、この攻撃を「GO#WEBBFUSCATOR」と呼び、珍しい手法を用いる攻撃だと説明する。
GO#WEBBFUSCATORは、侵入したネットワークに遠隔でアクセス可能な状態になる「リモートアクセス型トロイの木馬」(RAT)だ。攻撃用サーバであるコマンド&コントロール(C2)サーバに接続して、ペイロード(マルウェアの実行を可能にするプログラム)を送り込んで以下を実行する。
Securonixは、GO#WEBBFUSCATORのTTP(戦術、技術、手順)に深い関心を示す。「NASAの公式画像とコマンドラインプログラム『certutil.exe』を使用して、プログラミング言語『Go』のバイナリファイルを構築する手法は珍しい」と、同社はブログに記載している。
「バイナリファイルの制作者は、フォレンジック(サイバー攻撃の法的証拠の収集)と、EDR(Endpoint Detection and Response)によるエンドポイントセキュリティの両方を念頭に置いてペイロードを設計したことが明らかだ」。Securonixはこう見解を示す。
セキュリティ情報サイト「ProPrivacy」のデジタルプライバシー専門家であるレイ・ウォルシュ氏は、ジェームズ・ウェッブ望遠鏡関連のメールには注意が必要だと述べる。「Microsoftのオフィスアプリケーション『Microsoft Office』のファイルがJPEG画像を含んでいる場合、悪意のあるペイロードが自動的に配信される可能性があるため、開いてはいけない」
Microsoft Officeのマクロを自動的に実行するように設定していると、危険を招く場合がある。GO#WEBBFUSCATORのようなサイバー攻撃はその代表的な例だ。ウォルシュ氏は企業に対し、マクロ実行前に通知が表示されるように設定することを勧める。これにより、マルウェアのセルフインストールを防止できる。
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