止まらない“現金離れ”と「デビットカード」が増える謎決済市場を激変させた影響【後編】

新型コロナウイルスの感染拡大により、決済市場は大きな影響を受けた。市場規模は回復の兆しを見せているが、消費者の決済方法には大きな変化が生じたままだ。

2022年11月10日 05時00分 公開
[Caroline DonnellyTechTarget]

 英国の銀行業界団体UK Financeは2022年8月にレポート「UK PAYMENT MARKETS SUMMARY 2022」を公表。レポートによると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の影響で落ち込んだ決済市場は、2021年に回復の兆しを見せた。

「デビットカード決済」が台頭する理由とは

 同レポートは、パンデミックが消費者の決済方法に与えた変化を明らかにすると同時に、2021年からの10年間で増加する決済方法と、減少する決済方法を予測した。

 レポートによると、2012年から増加を続けていたデビットカードとクレジットカードによる決済の件数は2020年に一度減少したが、2021年には再び増加。2020年度の英国における決済総数の52%(約186億件)を、2021年度には57%(約229億件)をカード決済が占めた。ICカードやスマートフォンを決済端末にかざす非接触型決済もポピュラーな決済方法の一つだ。2021年は、英国における決済総数の32%(約131億件)を非接触型決済が占めた。

 UK Financeのデータによると、2021年時点で英国における決済方法はデビットカードに次いで現金支払いが2番目に使用頻度が高く、同年の決済総数の15%(約60億件)を占めた。

 2017年以降、現金決済の件数は毎年15%前後のペースで減少している。2020年にはパンデミックの影響を受け、現金支払いの件数は2019年比で35%減を記録。2020年同様、2021年も現金支払いの件数は減少したが減少幅は縮小し、2020年比で1.7%減だった。

 「現金による支払件数の減少は予測されたものだ」とレポートは指摘している。現金での決済が頻繁に使用されてきた業態では、COVID-19によるロックダウン(都市閉鎖)中に閉業したり営業制限を受けたりする傾向が強かった。そのような中でも営業を継続できた事業者のほとんどは、現金が新型コロナウイルスの感染経路になる懸念から、非接触型決済の使用を推奨していた。

 減少を続ける現金決済に代わって台頭しているのが、デビットカード決済だ。レポートの予測によると、2021年以降の10年もデビットカード決済の件数は増加し続け、2031年度には英国における決済総数の50%以上(約241億件)を占める見込みだという。

 デビットカード決済の成長をけん引する要素として、UK Financeは以下を挙げている。

  • 非接触型決済の増加
  • オンラインショッピング市場の成長
  • 小規模事業をはじめとする、カード決済が利用可能な事業者数の増加

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