Appleの「Tap to Pay」が「Square」の脅威に? 投資家が混乱の訳iPhoneを「手放せない道具」に変えるAppleの戦略【後編】

Appleが「iPhone」を決済端末に変える「Tap to Pay」を発表した後、市場では「Block(旧Square)の脅威になるのではないか」との反応が広がった。それはなぜなのか。

2022年03月25日 10時15分 公開
[Antone GonsalvesTechTarget]

関連キーワード

Apple | iPhone | 金融


 Appleが発表した「Tap to Pay」は、スマートフォン「iPhone」を決済端末に変える機能だ。調査会社TECHnalysis Researchのプリンシパルアナリストであるボブ・オドネル氏によると、AppleによるTap to Payの発表直後、投資家の間で一時的に混乱が広がった。モバイルデバイスを使ったPOS(販売時点情報管理)や決済サービスを手掛けるBlock(旧Square)にとって脅威になるのではないかという臆測が広がったという。

「Tap to Pay」が「Squareの脅威になる」と投資家が考えた訳

 「投資家の反応は、Tap to Payの機能に関する混乱が原因だった可能性がある」。オドネル氏はこう指摘する。

 Tap to Payの発表当初には「Appleが決済の一連のプロセスを担うようになり、そのためにBlockなどの関連ベンダーが打撃を受けるといううわさが広がっていた」とオドネル氏は説明する。実際のTap to Payは、POSをはじめとする決済アプリケーションにトランザクション(取引)データを渡す役割を果たす。

 AppleはTap to Pay普及のために、決済アプリケーションの開発者や決済ネットワークと協力する考えだ。「あらゆる規模の事業社が、非接触型決済をシームレスに受け付けられるようになること、そして事業成長を続けることを、今まで以上に容易にする」。AppleでApple Payおよびデジタルウォレットの「Apple Wallet」を担当するバイスプレジデント、ジェニファー・ベイリー氏はこう述べる。

 iPhoneはコミュニケーション、エンターテインメント、仕事、買い物などに役立つ機能を備えており、Tap to Payもこうした機能の一翼を担うことになる。これらの機能は、最上位モデルで1000ドル以上もするiPhoneを「『より多くの場面で、より生産的で役に立つものにする』というシンプルな戦略を体現するものだ」とオドネル氏は指摘する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news148.jpg

天候と位置情報を活用 ルグランとジオロジックが新たな広告サービスを共同開発
ルグランとジオロジックが新たな「天気連動型広告」を共同開発した。ルグランが気象デー...

news130.jpg

“AI美女”を広告に起用しない ユニリーバ「Dove」はなぜそう決めたのか
Unilever傘下の美容ケアブランド「Dove」は、「Real Beauty」の20周年を機に、生成AIツー...

news099.png

有料動画サービス 34歳以下では過半数が利用経験、4割は1日1回以上利用
「ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アド レポート 2024」を基に、テレビ画面での動...