「booter」は、簡単にサイバー犯罪を実行できるようにするDDoS攻撃のレンタルサービスだ。サービスの正当性を主張する犯罪者に対する、各国機関の見解と対処を紹介する。
分散型サービス拒否(DDoS)攻撃のレンタルサービス「booter」の登場により、初心者でも手軽にサイバー犯罪を始められるようになった。英国国家犯罪対策庁(NCA)はこの問題に対処するため、米連邦捜査局(FBI)やオランダ警察、欧州連合(EU)の法執行機関である欧州刑事警察機構(Europol)と連携し、作戦「Operation PowerOFF」を実施した。
2022年12月、FBIはOperation PowerOFFの一環で、booterを提供するWebサイト48個を閉鎖した。FBIは米国在住の6人の人物を刑事告発。NCAも、これらのWebサイトのうち一つを管理していた疑いで、英国デボン州在住の18歳男性を逮捕した。
booterを提供するWebサイトがクリスマス休暇を控えた時期に押収されたことは、サイバー犯罪者に強い影響をもたらしたと考えられる。この時期になるとサイバー犯罪者はしばしばゲーム関連サービスを標的にするため、DDoS攻撃が頻発する傾向にあるからだ。
FBIによると、booterを提供するWebサイトのほとんどは、「DDoS攻撃サービスはネットワークの負荷をテストする正当なサービスだ」と主張している。しかしこうした主張は「言い逃れでしかない」とFBIは意見を示す。捜査チームは、Webサイトの管理者と利用者がやりとりした数千通のメッセージを押収した。その内容を見れば、Webサイトの利用者がネットワークの負荷テストを業務で使うようなペネトレーションテスト担当者でないことは明白だという。
Operation PowerOffの対象は広範にわたる。法執行機関はDDoS攻撃のレンタルサービスが稼働するインフラに狙いを定め、継続的かつ協調的に、摘発やWebサイトの差し押さえを実施している。DDoS攻撃のレンタルサービスを検索する利用者をターゲットにした広告キャンペーンも実施中だ。NCAの全英サイバー犯罪対策機関(NCCU)に所属するフランク・タティ氏は、「Operation PowerOFFによってかなりの数のbooterを無力化し、犯罪をほう助する脅威を排除した」と話す。
IT業界もOperation PowerOffに協力し、以下の組織が知識や情報を提供している。
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