スマートフォン向けの半導体製品を提供するQualcommは衛星通信事業者と手を組み、注力分野を宇宙にまで広げる。同社が提供する新しい通信サービスとは。
半導体ベンダーのQualcomm Technologiesは、注力領域を宇宙へと広げている。同社は2023年1月、衛星通信事業者Iridium Communicationsとの契約締結を発表し、スマートフォン向け衛星通信機能の提供を計画していることを明かした。
Qualcomm Technologiesは、Iridiumが運用する通信衛星(通称は「イリジウム衛星」)を使い、衛星通信機能「Snapdragon Satellite」をモバイルOS「Android」搭載端末向けに提供することを発表。Qualcommは「衛星通信による双方向メッセージングを実現するサービスだ」と説明する。Iridiumの通信衛星は、マイクロ波の周波数帯域の一つである「Lバンド」をダウンリンク(下り:衛星局から端末への通信)とアップリンク(上り:端末から衛星局への通信)に使用する。
Snapdragon Satelliteは、Qualcommのモバイル端末向けハイエンドプロセッサ「Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform」を搭載した端末で利用可能になる。衛星通信による緊急メッセージングサービスは、2023年後半から一部の地域で発売するAndroid搭載スマートフォンで利用できるようになる見込みだ。
Qualcommでセルラーモデムおよびインフラ担当のシニアバイスプレジデント兼統括マネジャーを務めるドゥルガ・マラディ氏は、「重要なのは堅牢(けんろう)で信頼性の高い接続だ」と話す。同社は2023年後半に発売する次世代スマートフォンを皮切りに、モバイル端末向けのプロセッサ「Snapdragon」シリーズの端末に衛星通信の機能を提供していく計画だ。
「地球上のあらゆる場所での通信を可能にする当社の地球低軌道(LEO)衛星によって、Snapdragon Satelliteが提供する衛星通信機能が低電力かつ低遅延になるように支援する」。IridiumのCEOマット・デッシュ氏はそう話す。
後編は、Snapdragon Satelliteを用いて何が実現できるのかを紹介する。
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