生中継のとき、いかに通信障害を回避するかが放送局にとって重要だ。英国エリザベス2世葬儀を中断なく世界に伝えるために「SpaceX」の力を借りた、仏テレビの妙策とは。
英国エリザベス2世の葬儀の様子を生中継で視聴者に届けるために、世界各国の放送局はあの手この手を打った。中でも、フランスの公共放送機関France Televisionsの取り組みが斬新だったと言える。同社は何をしたのか。
注目度の高いイベントの生中継は放送局にとって重要だが、失敗のリスクも高い。英国は今回、エリザベス2世の葬儀を守るために厳戒のセキュリティ態勢を敷き、放送局は普段の生中継用のバンやトラックが使えなかった。そうした中、France Televisionsが打ち出したのは、Space Exploration Technologies(SpaceX)の衛星通信プロジェクト「Starlink」の力を借りた生中継システムの使用だ。
France Televisionsは、TVU Networksの無線映像伝送システム「TVU One」を採用し、それにSpaceXの衛星接続サービスを組み合わせた。従来のネットワークの仕組みでは、トラフィック(ネットワークを流れるデータ)が集中すれば、通信が切断されたり、生映像が使用不可能になったりしていた。TVU Networksによると、TVU Oneは複数の異なる信号を集約し、トラフィック集中によるネットワーク障害を避けるようにしている。
TVU Networksは同社のパートナーであるMagic Hourを通じて、Starlinkを介する信号のルーティング(経路制御)を可能にする伝送技術と受信サーバをFrance Televisionsに提供した。France Televisionsはこうした仕組みを巧みに活用し、葬儀当日、生中継を中断なく実現できたという。同社ニュース制作ディレクターのロマルド・ラ氏は、「視聴者に確実に映像を届けることができて本当に良かった」と語る。
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