「RDoS」(ランサムDoS)攻撃とは? DDoS攻撃の新たな手口ウクライナ危機がサイバー攻撃に及ぼす影響【後編】

セキュリティベンダーのRadwareによると、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で「DDoS」攻撃の傾向に変化が生じている。具体的に何が起きているのか。同社の調査結果を基に探る。

2022年10月05日 05時00分 公開
[Alex ScroxtonTechTarget]

 セキュリティベンダーのRadwareは、2022年上半期(1月〜6月)の脅威を分析したレポート「2022 H1 Global Threat Analysis Report」で、「DDoS」(分散型サービス拒否)攻撃の観測件数が増加傾向にあると指摘した。ロシアとウクライナの間のサイバー攻撃が活発になっていることが、その背景にあると同社は説明する。

新たな手口「RDoS」も登場 変化するDDoS攻撃

 Radwareは今回のレポートで、2022年第1四半期(1月〜3月)と第2四半期(4月〜6月)に同社がブロックしたイベント数がそれぞれ、前年同期比でほぼ倍増したことを明らかにした。2022年上半期にブロックしたイベントのデータ量は、1カ月当たり3.39TBに相当するという。

 2022年上半期、DDoS攻撃の規模は著しく縮小したとRadwareは説明する。同社によると、1秒当たりのデータ量で見たDDoS攻撃の平均規模は、2021年第4四半期(10月〜12月)には139Mbpsだったのに対し、2022年第1四半期には73.3Mbps、第2四半期には63.5Mbpsとなった。ただし同社によれば、大規模なDDoS攻撃も依然として発生している。同社が対処したDDoS攻撃の中には、総データ量が2.9PBで、36時間続いた攻撃があったという。

 Radwareによると、2022年上半期のセキュリティトレンドとして、「ランサムDoS」(RDoS)と呼ばれる攻撃の広がりがある。RDoSは、標的に対して「身代金を支払わなければ、DDoS攻撃を実施する」と脅迫する攻撃だ。ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃集団「REvil」が2022年に実施したRDoS攻撃では、脅迫文が攻撃ペイロード(攻撃者による悪質なプログラムの実行を可能にするコンポーネント)に埋め込まれていたという。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。