「AIを軍事用途に用いることは、道義的に正しい」という主張がある一方で、懐疑的な意見もある。AI倫理の専門家に詳しく話を聞いた。
「人工知能(AI)技術を軍事分野に導入することは、倫理的に正当だ」という主張がある。一方、AI倫理の専門家エルケ・シュワルツ氏はこの主張について批判的な態度を示す。
英国の大学Queen Mary University of London(ロンドン大学クイーンメアリー校)で政治理論学の准教授を務めるシュワルツ氏は、「AI技術の軍事利用に対して注意や制限を呼び掛ける声が、徐々にかき消されつつある」と指摘する。
これまで世界各国の政府は、軍事作戦にさまざまなAI技術を開発、導入することに関心を寄せてきた。具体的には以下のような分野が挙げられる。
シュワルツ氏によると、AI技術の軍事利用を正当化するさまざまな主張がある。例えば、「AI技術の軍事利用は戦争の長期化を防ぎ、犠牲者を減らすことにつながるため、道義的責務に基づく」という主張だ。他にも「仮想敵国に対する技術的優位性を確保するのに軍事用AIが欠かせない、地政学上必須な要素だ」という主張もある。
シュワルツ氏は、戦争の本質を見なければならないと訴える。「戦争は工学的な問題でも、技術的な問題でもない。技術では解決できない社会政治学の問題だ。それなのに各国は、戦争に新しい技術を投入し、事態を悪化させる取り組みをしている」(同氏)
2023年2月中旬、軍事領域における責任あるAI利用について議論する世界的サミット「Responsible Artificial Intelligence in the Military Domain」(REAIM)が開催された。同サミットに出席したシュワルツ氏は、次のように振り返る。「サミットで各国の政府代表は、AI技術の軍事利用に不安を抱きつつも期待を膨らませていた。平和を実現するためにAI技術をどう使うかについて話したのは、フィリピンの代表者だけだった」
第2回は、AI技術の軍事利用の事例や、課題について解説する。
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