食用昆虫の飼育環境の改善にAI(人工知能)技術を活用するEntoverseは、AI技術にまつわる“ある問題”に直面していた。それは何なのか。同社が編み出した対処法とは。
コオロギをはじめとする昆虫を食料にする取り組みが、世界的に進んでいる。そうした取り組みを支えるのがAI(人工知能)技術だ。ただしAI技術は万能ではなく、その“負”の要素に対処しようとする動きも活発化しているという。どういうことなのか。
AI技術を活用する上での懸念を解消しようとする動きがある。昆虫養殖場支援ベンダーのEntoverseは、養殖場管理システムのAIモデルのトレーニング方法として「フェデレーテッドラーニング」(連合学習)を採用しようとしている。
フェデレーテッドラーニングは、複数の場所にある教師データを集約することなく、分散したままトレーニングに活用する機械学習手法だ。ネットワークを介して教師データをやりとりすることに、機密保持やプライバシー保護の観点から懸念を抱くユーザー企業があることが背景にある。
Entoverseの共同創設者兼CTO(最高技術責任者)であるドミトリー・ミハイロフ氏は、フェデレーテッドラーニングを実現する手段として、ある仕組みを考案した。それは、AIモデルを備えたモジュール(小規模なプログラム)を使った仕組みだ。
仕組みをより具体的に見ていこう。遠隔地にある教師データによるトレーニングをする場合、教師データをダウンロードするのではなく、教師データを保管するサーバにモジュールを送信。サーバ内の教師データによるトレーニングを済ませた後に、モジュールのみを回収する。
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