恋愛詐欺アプリがApp Storeでも公開されてしまう Appleもだまされた手口とは?AppleとGoogleもだました「CryptoRom」の手口【第2回】

「App Store」「Google Play」で、攻撃者が恋愛詐欺「CryptoRom」に利用する2つのアプリケーションが見つかった。審査が厳格なはずの両アプリケーションストアに、どのように入り込んだのか。

2023年04月12日 08時15分 公開
[Alex ScroxtonTechTarget]

関連キーワード

Apple | Google | サイバー攻撃


 セキュリティベンダーSophosは、アプリケーションストアであるAppleの「App Store」とGoogleの「Google Play」で、「CryptoRom」の詐欺アプリケーション「Ace Pro」「MBM_BitScan」を発見した。CryptoRomは恋愛詐欺の一種で、ユーザーに不正な暗号資産(仮想通貨)取引をさせる。Ace ProとMBM_BitScanは、どのようにAppleやGoogleのセキュリティ審査を迂回(うかい)できたのか。

恋愛詐欺アプリはなぜAppleやGoogleをだませたのか その手口とは

 Appleはスマートフォン「iPhone」に、デバイスが通常通りに機能しなくなるロックダウンモード機能を搭載している。これにより、ソーシャルエンジニアリング(人の心理を巧みに利用して、意図通りの行動をさせること)を含め、さまざまな攻撃からiPhoneを保護できるという。Sophosで脅威分析を担当する上級研究員のジャガデシュ・チャンドライア氏は、Ace ProとMBM_BitScanについて、攻撃者がロックダウンモード機能を迂回できた可能性があると述べる。

 App StoreやGoogle PlayにおけるAce Proの説明は「QRコードスキャナー」だった。だがAce Proを開くと、暗号資産の入出金をするためのユーザーインタフェース(UI)が表示されたという。これは、攻撃者に送金するための手口だとみられる。

 攻撃者はAppleやGoogleのセキュリティ審査を迂回するために、Ace Proを安全なWebサイトに接続して、信頼できるアプリケーションに見せ掛けた。接続先WebサイトにはQRコードスキャナーに関連するソースコードが含まれていたため、AppleやGoogleは「正当なWebサイトだ」と判断した可能性がある。

 MBM_BitScanは、C&Cサーバ(コマンド&コントロールサーバ:侵害したシステムを統制するためのサーバ)を使い、日本を拠点とする正当な暗号資産取引企業に見せ掛けて、ユーザーをだます手口を使っている。不正取引自体は全てWebサイトのUIで処理するので、MBM_BitScan自体を見ても危険性に気付きにくい。そのためAppleやGoogleの審査を通過できたとみられる。


 第3回は、攻撃者はAce Proを使い、標的をどのようにだましたかを紹介する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news075.png

Z世代の告白手段は「直接」が大多数 理由は?
好きな人に思いを伝える手段として最も多く選ばれるのは「直接」。理由として多くの人は...

news100.jpg

日本はなぜ「世界の旅行者が再訪したい国・地域」のトップになったのか 5つの視点で理由を解き明かす
電通は独自調査で、日本が「観光目的で再訪したい国・地域」のトップとなった要因を「期...

news023.jpg

誰も見ていないテレビ番組にお金を払って露出する意味はあるのか?
無名のわが社でもお金を出せばテレビに出してもらえる? 今回は、広報担当者を惑わせる...