コオロギをはじめとする昆虫に対して、食料としての世界的な需要が生まれている。世界的な“コオロギブーム”を支えるのが、昆虫農場とも呼ばれる養殖場だ。その知られざる実態とは。
食料としての昆虫(食用昆虫)は、飼料をあまり必要とせず、メタンや二酸化炭素などの温室効果ガスを大量に排出しない。そのため環境への影響を最小限に抑えつつ、世界の人を養う代替タンパク源として急成長中だ。一方で食用昆虫の生産を支える養殖場(昆虫農場とも)の実態は厳しいと、専門家は指摘する。
北米やヨーロッパ、東南アジアなど、世界各地での“コオロギブーム”に乗じて、コオロギの養殖場が相次いで誕生している。養殖場の運営元の間では、昆虫の養殖に関する知識に差がある。全ての養殖場の運用が効率的なわけではない。
昆虫養殖場支援ベンダーEntoverseの共同創設者兼CTO(最高技術責任者)、ドミトリー・ミハイロフ氏は、ベトナムのコオロギ製品メーカーCricket Oneでは「労働者が適切な資格がないまま、数百万匹のコオロギを管理していることが問題になっている」と指摘。このままでは、Cricket Oneが管理するコオロギの「約25%が死ぬ可能性がある」と警鐘を鳴らす。
シンガポール国立大学(National University of Singapore)の准教授であるミハイロフ氏と、シンガポールのスタートアップ(新興企業)による研究チームは、共同でコオロギに関するデータを収集。昆虫の健康と行動に影響を与え得る要因を調べてきた。
コオロギは動きが俊敏で、ふ化からの時間によって体の色が変わり、雌雄の区別がある。研究チームは、カメラを使った画像認識でコオロギを検出している。マイクを使って、コオロギ同士のコミュニケーションの解読にも取り組んでいるという。
次回は、ミハイロフ氏らのチームが、収集したデータをどのように活用しているのかを紹介する。
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