ChromeやEdgeなど人気ブラウザを危険にする「画像フォーマット」の脆弱性とはGoogleが開発した技術に影響

「Chrome」や「Edge」といった広く使われているWebブラウザに関連する脆弱性が見つかった。悪用されると、どのような危険のある脆弱性なのか。

2023年09月22日 05時00分 公開
[Arielle WaldmanTechTarget]

 「Google Chrome」(以下、Chrome)や「Microsoft Edge」(以下、Edge)といった主要Webブラウザに重大な脆弱(ぜいじゃく)性が見つかった。2023年9月6日(米国時間)、Appleのセキュリティ部隊とトロント大学(The University of Toronto)の研究機関Citizen Labが、脆弱性「CVE-2023-4863」を報告した。どのような脆弱性で、なぜ危険なのか。

Chromeなど複数のWebブラウザに波紋 その危険性とは?

 CVE-2023-4863はGoogleが開発している、オープンソースソフトウェア(OSS)のWebサイト向け画像フォーマット「WebP」の欠陥だ。「バッファオーバーフロー攻撃」を可能にするという。バッファオーバーフロー攻撃とは、ヒープ(動的に割り当てるメモリ領域)に処理可能な容量以上のデータを送り込んでシステムの誤動作を生じさせる攻撃だ。

 Chromeを含め、WebPを利用しているWebブラウザがCVE-2023-4863の影響を受ける可能性がある。GoogleやMicrosoftはCVE-2023-4863の報告を受け、この脆弱性のパッチ(修正プログラム)を公開した。ユーザー企業に適用を促している。

 CVE-2023-4863が悪用されている可能性のあるWebブラウザは、原稿執筆時点ではChromeのみだとみられる。Webブラウザ「Mozilla Firefox」を開発しているMozillaは、「他社WebブラウザでCVE-2023-4863の悪用を認識している」と述べる。

 GoogleはCVE-2023-4863について、エクスプロイト(脆弱性を悪用する攻撃プログラム)が存在することは認めたが、エクスプロイトの詳細は明らかにしていない。

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