デンマークのビール大手Carlsberg Groupは「SASE」を導入し、ネットワークインフラを刷新した。同社がSASE移行前に抱えていた課題や、製品選定の理由とは。
デンマークのビール醸造会社Carlsberg Groupは、世界中にある拠点のネットワーク運用を統合し、セキュリティを高めるために、ネットワークベンダーCato NetworksのSASE(セキュアアクセスサービスエッジ)製品「Cato SASE Cloud」を導入した。Carlsberg GroupはSASE移行前にどのような課題を抱えていたのか。SASE製品としてCato SASE Cloudを選んだ理由は何だったのか。
Carlsberg Groupはグローバルでの事業展開に注力し、欧州やアジアを中心に約200拠点を結ぶネットワークを構築していた。しかし、使っていたネットワークは地域ごとに技術や製品が異なるので、管理が難しかったと同社は説明する。
複数の技術や製品が混在することは、セキュリティの問題も生み出した。例えば、Carlsberg Groupは複数のベンダーのファイアウォールを使っていた。そのため、システム全体のリスクを統合的に可視化できなかった。その他、複数のセキュリティポリシーを適用しなければならないことも課題だったという。何らかのトラブルが生じた際、その特定や解決に時間がかかる問題もあった。
Carlsberg Groupのグローバルネットワーク担当ディレクター、ローラン・ゲルトナー氏は、「ばらばらだったネットワークの製品や技術を統合し、世界のどこでも同じように管理できる仕組みに移行する必要があった」と述べる。Cato SASE Cloudを選定した理由についてゲルトナー氏は、「Carlsberg Groupが求める要件に最もマッチしていると判断したからだ」と語る。Cato SASE Cloudには以下の機能が含まれる。
Carlsberg GroupはCato SASE Cloudの導入に合わせ、テレワークをしている従業員を自動的にCato SASE Cloudに接続するアプリケーション「Cato Client」も採用した。社内だけではなく、社外で働いている従業員向けのセキュリティを強化した。同社CISO(最高情報セキュリティ責任者)タル・アラッド氏は、「Cato SASE Cloudの導入によって本格的なゼロトラストセキュリティを実装したい」と述べる。
アラッド氏によると、Carlsberg Groupは今後、スイッチング(トラフィックの中継と転送)技術である「MPLS」(マルチプロトコルラベルスイッチング)の既存ネットワークを廃止する。TCP/IPのネットワークで音声データを送受信する「VoIP」(Voice over IP)のアプリケーションやERP(統合業務システム)の利用などにCato SASE Cloudを採用する方針だ。
Carlsberg Groupは1847年にデンマークの首都コペンハーゲン郊外に建設された醸造所が起源だ。現在では、中核ブランド「Carlsberg」に加え、「Kronenbourg」「Afsana」「Birrifico Angelo Poretti」など多数のブランドを展開している。
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