「こんなEDRが欲しかった」を叶える失敗しない選び方はこれだEDRツール選定のこつ【後編】

EDRはセキュリティに欠かせないツールだが、自社のニーズに合致していなければ防御力を発揮できない。EDRツールを選ぶ際に重視したいポイントとは何か。

2025年01月08日 05時00分 公開
[Rob ShaplandTechTarget]

 PCやスマートフォンといったエンドポイントをマルウェア感染から守るためのツールとして重要性が高まる「EDR」(Endpoint Detection and Response)。さまざまなEDRツールが存在する中で、最適な製品を選ぶにはどうすればいいのか。自社のニーズに合致しているかどうかを確認するための手っ取り早い方法がテストだ。その際にどのようなポイントを確認すべきなのかを押さえておこう。

EDRツール選びで失敗しない検証方法とは

 EDRツールの導入を決める前にEDRツールベンダーにテスト環境を提供してもらい、それを使ってテストを実施しよう。自社でのテストの他に、外部の機関にテスト実施を依頼することもできる。

 テスト時には、EDRツールの機能や使い勝手を徹底的に検証することが重要だ。検出しやすいマルウェアからテストを開始し、徐々に難易度を上げながらEDRツールのマルウェア検出能力を確認するとよいだろう。マルウェア感染に限らず、他の不審な操作の把握ができるかどうかのテストも忘れずに実施しよう。例えば、MicrosoftのOS「Windows」のコマンド実行ツール「PowerShell」を使った不正なコマンド実行のテストが考えられる。

 テストを通じて、EDRツールがセキュリティのイベントをどのように報告し、どのようなアクションを実行するかを観察する必要がある。テストに使用したマルウェアサンプルとEDRツールによる報告を照らし合わせ、検知が正しかったかどうかを確認する。攻撃の実例を見ると、EDRツールがイベントを報告してもセキュリティ担当者がその深刻度を正しく認識しておらず、適切に対処できなかったケースがある。

 EDRツールの評価は、導入時だけではなく導入後も重要だ。定期的にテストを実施し、EDRツールが引き続き自社のニーズに合っているかどうかを確認しよう。攻撃者は常により巧妙なマルウェアを開発し、攻撃の手口を変えている。組織はその動きをウォッチし、利用中のEDRツールで最新の攻撃に対抗できるかどうかを判断しなければならない。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news063.jpg

Metaの「イーロン・マスク化」が広告ビジネスに及ぼす影響
Metaがモデレーションルールを緩和し、ファクトチェックを廃止することを決定した。これ...

news182.jpg

世界の広告総収入は1兆ドル超えへ デジタル広告が成長をけん引
2024年の世界広告収入が初めて1兆ドルを突破する見通し。デジタル広告の拡大が成長を支え...

news137.png

新成人(二十歳)のTikTok利用率は5年で5倍に その他のSNSの利用動向は?
「芦田愛菜」「鈴木福」「本田望結」といった天才子役で知られた著名人を含むこの世代の...