2024年は新興のランサムウェア攻撃集団が相次いで登場し、攻撃件数が増加した。攻撃件数が増える背景には何があり、組織は特にどのランサムウェア攻撃集団を警戒すべきなのか。
セキュリティベンダーNCC Groupによると、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)の攻撃件数が2024年12月に過去最多を記録した。2024年を通してランサムウェア攻撃が活発だったことは、複数のセキュリティベンダーの調査で明らかになっている。取り締まりが進む一方でランサムウェア攻撃が増えた背景には何があり、特にどのランサムウェア攻撃集団に警戒が必要なのか。
セキュリティベンダーZeroFoxによると、2024年のランサムウェア攻撃件数は4950件で、2023年の約4000件から大幅に増加した。報告されていない攻撃もあることを考慮すると、実際の攻撃件数はさらに多かったと考えられる。
ZeroFoxは2024年に、新興のランサムウェア攻撃集団として45件を特定した。その大半は急速に攻撃活動を広げており、組織にとって深刻な脅威になっているという。
ランサムウェア攻撃集団の増加には、主に2つの要因があるとZeroFoxは指摘する。1つ目は、「LockBit」や「BlackCat」(「ALPHV」とも)など、法執行機関の取り締まりによって解散となったランサムウェア集団の元メンバーが新しいランサムウェア集団を作ったことだ。2つ目は、ランサムウェアをサービスとして使える「RaaS」(Ransomware as a Service)によって攻撃実行のハードルが下がったことだ。RaaSを使えば、開発スキルがなくてもランサムウェアを入手し、攻撃を実行できる。
2024年に活動が活発なランサムウェア集団は、前編で取り上げた「FunkSec」に加え、「RansomHub」だった。2024年2月に、最初の攻撃活動が確認され、急速に件数が伸びているという。ZeroFoxによると、RansomHubは技術力が高く、攻撃ツールを急速に進化させている。例えば、「EDR」(Endpoint Detection and Response)を回避するためのツールを開発したという。
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