セキュリティ予算がないなら「高額=安全」の呪縛を解いて出直すべしセキュリティによくある5つの誤解【第3回】

セキュリティ対策を強化するほどコストがかかりがちだが、解決方法はある。「セキュリティ対策は高過ぎる」説を払拭し、より安価にセキュリティ対策を実施するには何が必要なのか。

2025年03月05日 08時00分 公開
[Neil LangridgeTechTarget]

 「セキュリティには過度に投資したくない」「必要だがセキュリティ予算の捻出ができない」――。そう考えている経営者やセキュリティ担当者は少なくない。セキュリティ対策にコストがかかるのは不可避だが、「高過ぎるセキュリティ対策」にお金を払う必要があるのかどうかは慎重に見極めるべきだ。実は安価にセキュリティ対策を講じる方法もある。セキュリティを巡る5つの誤解のうち、本稿は3つ目を紹介する。

3.「セキュリティツールは高価過ぎる」

 セキュリティツールの中には、組織にとっては高価で手を出しにくいものがある。しかし手頃な価格で提供される製品もある。セキュリティ人材の育成にコストをかけられないのであれば、MSP(マネージドサービスプロバイダー)やMSSP(マネージドセキュリティサービスプロバイダー)を利用してセキュリティ運用の体制を強化することもできる。

実例

 ブリストルの小規模な慈善団体は、英国のセキュリティに関する政府機関である国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)が提供する無料ツールを使っていたことで、攻撃による被害を回避できた。この慈善団体は、攻撃の経験を機にセキュリティ体制を見直し、脆弱性を特定した上で、侵入されないための対策を追加した。

対策

  • 無料ガイドラインの活用
    • NCSCの「Cyber Essentials」といった、セキュリティに関する基本的なガイドラインを活用する。セキュリティコンサルティング会社など、外部の知恵を借りることも有効だ。セキュリティベンダーによる無料のセキュリティ評価ツールの利用も検討できる。
  • セキュリティ予算の優先順位付け
    • メールシステムの保護や多要素認証(MFA)の実装など、効果的と考えられる領域に投資を集中するとよい。

 第4回は、4つ目の誤解を紹介する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国Informa TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...