シスコシステムズは、「品質が良くない」「コストが高い」といったビデオ会議システム普及の阻害要因を解消するため、製品を拡充した。iPhoneなどでも会議への参加が可能になる。
シスコシステムズ(以下、シスコ)は9月10日、小中規模向け高品位(HD)ビデオ会議システム「Cisco TelePresence System(CTS)」の新製品「CTS 1100」「CTS 1300」を発表した。併せてビデオ会議用多地点接続装置(MCU)の拡張やスマートフォン対応の強化などで他社製品との接続性を高めた。
CTSは高精細カメラ/高品質マイク、65インチ大型プラズマディスプレー、MCUなどで構成されるHDビデオ会議システム。新製品はCTSのラインアップのうち、小中規模会議用のシステムに該当し、CTS 1100が2人程度の少人数、CTS 1300が6人まで参加可能。CTS 1100はカメラとマイクをアップグレードすればCTS 1300へと移行できる。価格はCTS 1100が約800万円、CTS 1300が約840万円。CTSは1080pの高解像度でのビデオデータ伝送を行うため、企業間の会議にはNTTのNGN(次世代ネットワーク)による高品質・広帯域網の利用を前提としている。「従量課金方式のサービスを利用すれば大企業以外でも利用しやすくなる」(シスコ)
シスコはビデオ会議システムの拡販戦略として「相互運用性の向上」を挙げている。ITmediaの国内ユーザー調査によると、ビデオ会議システムの利用において半数近くが「画像や音声の品質の低さ」や「導入・保守コストの高さ」に不満を持っているという。そこで同社は、CTSを中核とした双方向性のある会議環境に、Web会議システムをはじめ、SD(標準画質)ビデオ会議端末やモバイル端末、ソフトウェア形式のビデオ端末といった既存システムをつなぎ込む仕組みを作った。具体的には、MCU新製品「Cisco Unified Videoconferencing 5000」(2009年第4四半期発売予定)においてSaaS(Software as a Service)型Web会議システム「WebEx」との連携を可能にしたのに加え、他社のビデオ会議システムとの接続を強化した。ポリコム、タンバーグ、ソニー製のビデオ会議端末との接続は検証済みという。
さらにWebExでは、スマートフォンからの会議参加を可能にした。iPhone 3G、BlackBerry Bold、Windows Mobileの各端末をサポートする。
エンタープライズマーケティング シニアマネジャーの北川裕康氏は、企業のビデオ会議利用を促進するには、製品間の相互運用性、エンドポイント(利用端末)の多様化への対応といった、いつ、どこでも会議に参加できる環境作りが必要だと話す。そうした条件がそろえば「ビデオ会議の果たす役割が、まずはコスト削減、そして従業員の生産性向上、最終的にはビジネス変革へと発展していくだろう」(北川氏)
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