経営管理アプリケーション「Oracle Hyperion」の新製品は、企業の効率的な予算管理や業績管理、財務シミュレーションを実現し、市場変化への対応力を強化するという。
日本オラクルは7月6日、経営管理アプリケーションのスイート製品「Oracle Hyperion Enterprise Planning Suite」を提供開始したと発表した。会見した同社 代表執行役社長 最高経営責任者の遠藤隆雄氏は同製品について「激しい変化の中で顧客が素早くアクションを取って経営の健全な発展につなげることができる」と説明。Hyperionを使ったIFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)対応についても「もう少しクイックに、少ない投資で対応できるソリューションを提供する」と今後の製品提供を説明した。
日本オラクルの執行役員 EPM/BI事業統括本部長 関屋剛氏は日本企業の予算計画や業績管理の課題として「中長期的な経営計画と事業計画が連動していない」「計画の仕組みが硬直的で変化にタイムリーに対応できない」などと指摘。そのうえで、新製品によって「ビジョンと事業計画、日々のオペレーションまでの計画をきちんと回すことを支援する」と説明した。「変化の時代で、製造業も生鮮食品を扱っているという感覚を持っている。基本は早く作って早く売る。それには計画を随時見直して、オペレーションに反映することが求められる」
Oracle Hyperion Enterprise Planning Suiteは5製品で構成する。事業ポートフォリオの最適化やM&Aのための企業価値評価、資金調達時のシミュレーションなどの機能がある「Oracle Hyperion Strategic Finance」と、予算を策定し、その予実管理やローリング予算の策定ができる「Oracle Hyperion Planning」、社員の報酬プランをシミュレーションし、計画を立てることができるモジュールや設備投資計画を策定するモジュールが含まれる「Oracle Hyperion Planning Modules」、ABC(活動基準原価計算)やABM(活動基準管理)に対応し、製品・顧客別の収益性を分析できる「Oracle Hyperion Profitability and Cost Management」、収益と販売、生産のシミュレーションを行い、利益計画を最適化する「Oracle Integrated Operational Planning」の5製品だ。
5製品のうち、Strategic FinanceとPlanningは旧来製品のバージョンアップ。ほかの製品との統合機能やユーザーインタフェースの使い勝手を強化したという。それ以外の製品は新製品。
新製品が狙うのは企業の予算策定や予実管理で広く使われているスプレッドシートの置き換えだ。日本オラクルのEPM/BI事業統括本部 ビジネス推進部長 箕輪久美子氏は「計画策定の課題は、そのシステムのほとんどがMicrosoft Office Excelや、がちがちのシステムで作られていること。事業部の個別最適となっていて、ほかの事業部やオペレーションとの連動が難しい」と話した。新製品を使うことで「戦略からオペレーションまで整合性が取れた計画を策定できる」と話した。
新製品の価格は公表していない。個別製品ではPlanningの場合で、導入費込みで2000万円からという。
オラクルはまた、IFRS対応ソリューションの「Oracle Hyperion Financial Close Suite」を近く発表する。関屋氏によると、日本企業のIFRS適用で必要となる要件をテンプレートなどではなく、ソフトウェア本体に組み込んでいて、短期導入が可能という。
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