2012年12月06日 08時00分 UPDATE
特集/連載

あらためて見直す中小企業にとってのサーバ仮想化【第3回】中小企業がサーバ仮想化の投資対効果を最大化するには?

中小企業がサーバ仮想化活用で直面する課題のうち、管理・運用や社内における意思決定など「モノ」以外に関する事項について明らかにし、それらの解決策を探る。

[岩上由高,ノークリサーチ]

 「中小企業にとってのサーバ仮想化とは何か?」をテーマとした本連載、第2回となる前回「サーバ仮想化導入の障壁、ハードウェアコストの課題を解決する」では、サーバ仮想化における課題を大きく3つ挙げ、そのうちの「1.サーバ仮想化に必要な『モノ』に関する課題」について詳しく見てきた。ハイパーバイザーやストレージに関する工夫によって、サーバ仮想化に必要なモノのコストを軽減できることがお分かりいただけただろう。

 しかし、既に利用している物理サーバをそのまま利用できるとは限らず、何らかのコスト負担はどうしても発生する。従って、モノのコストを抑えるという発想だけでなく、「導入効果を最大化する」という視点が必要になってくる。その点に深く関係してくるのが、「2.サーバ仮想化環境の導入・運用に関する課題」と「3.社内における意思決定に関する課題」といった残る2つの課題グループだ。第3回となる今回は、これらの解決法を探りながらサーバ仮想化に必要な具体的なコスト感を俯瞰し、導入効果を得るためのポイントについて考えていく。

 まずは残る2つの課題グループを振り返り、それらの解決策を見ていくことにしよう。

2.サーバ仮想化環境の導入・運用に関する課題

  • ハイパーバイザーの扱いが難しい
  • ストレージ環境の扱いが難しい
  • ネットワーク環境の扱いが難しい
  • 適切に管理・運用できるか不安である
  • どこから着手すればよいか判断できない
  • システムがサーバ仮想化に対応していない
  • 提案してくれる販社/SIerがいない

3.社内における意思決定に関連する課題

  • 得られる投資対効果が不明確である
  • 事例が少ないため踏み切れない
  • 社内からの抵抗や反感がある

サーバ仮想化環境の導入・運用に関する課題

 「ハイパーバイザーの扱いが難しい」「ストレージ環境の扱いが難しい」「ネットワーク環境の扱いが難しい」「適切に管理・運用できるか不安である」といった課題は、第2回で挙げた「モノ」の管理・運用に関連する。中小企業でも容易に導入できるようにハイパーバイザーを事前に組み込んだサーバがあることは、第2回でも述べた通りだ。その際、サーバ仮想化環境の管理・運用についての詳しいマニュアルが付属するケースが多い。また、サーバ納品時に顧客のオフィスまで出向いてレクチャーを行う付加サービスを提供しているケースもある。自社の予算やITスキルに合わせて適切な製品を選ぶとよいだろう。

 また、「システムがサーバ仮想化に対応していない」という事態もあり得る。業務パッケージによっては仮想サーバ環境における動作確認が取れていないものもあるので注意が必要だ。ハイパーバイザーを提供する主要な企業が、以下のように対応アプリケーションの一覧を確認できるWebサイトを提供しているので利用するとよいだろう。

 第2回のグラフにある通り、「提案してくれる販社/SIerがいない」という課題を挙げる割合は2.7%と最も低い。昨今はサーバ仮想化に取り組む販社/SIerも徐々に増えてきている。この課題については解消が進みつつあると考えられる。

 そうなると、「2.サーバ仮想化環境の導入・運用に関する課題」については「どこから着手すればよいか判断できない」が残された最も大きな課題ということになる。第1回「【導入効果】台数削減だけではないサーバ仮想化のメリット」では、サーバ仮想化には物理サーバの台数削減以外にも多くのメリットがあることを述べた。だが、そのうちのどれから着手すればよいのか? どのシステムを対象とすればよいのか? の判断が難しいというのは当然の疑問だろう。この判断を間違うと、期待された導入効果が得られないといった結果になる可能性もある。これに対する答えを与えてくれるのが以下のグラフだ。

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