本連載は、中小企業における運用管理/資産管理ツールの選定ポイントを解説。第1回はその全体像、第2回はサーバ、第3回は動向について述べた。最終回の第4回は、「統合運用管理/資産管理ツール」を取り上げる。
本連載では、運用管理/資産管理ツールを「役割」と「対象」という2つの軸を用いて以下のように整理している。
統合運用管理/資産管理ツールが担う「役割」はその名の通り「統合する」ことだ。
例えば、「業務システムにアクセスしても反応がない」という障害に直面した際、サーバ監視ツールやネットワーク監視ツールから情報を収集し、原因がサーバ側とネットワーク側のどちらにあるかを判断するはずだ。こうした作業は統合運用管理/資産管理ツールの管理画面から行うことが多い。次に同様の障害が発生したときの通知方法を設定することもできるだろう。PC/サーバ/ネットワークなど複数の「対象」にまたがる監視や設定作業をスムーズに連係させるための機能を提供しているのだ。これが「統合する」という「役割」の中身である。このことを踏まえて、統合運用管理/資産管理ツールの守備範囲を図示すると上図の[3]に位置付けられる。
しかし、一般的に統合運用管理/資産管理ツールといった際には、もう1つの意味合いがある。それは上図に示した全ての守備範囲を網羅した「スイート製品」を指す場合だ。PC管理、サーバ管理、ネットワーク管理など多種多様な構成要素(モジュール)を備え、それらを一括して管理する仕組みを備えている。複数の製品から構成されていることも多く、個別の機能だけを導入することも可能だ。
このように統合運用管理/資産管理ツールには、[3]に特化したものと、全ての「対象」「役割」を網羅した「スイート製品」の2つがあることを押えておこう。以降では後者を「統合運用管理/資産管理スイート」と呼んで区別する。
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