磁気テープはストレージの中でも特に古い。従来はメインストレージやバックアップストレージとして利用されてきたが、こうした用途は他のストレージへの置き換わりが進んでいる。それでもテープは記憶容量の大きさとコストの低さ、耐久性の高さといったメリットを持ち、アーカイブデータの保管に適した選択肢として、今でもユーザー企業の支持を集めている。テープはデータの検索やカートリッジの交換にかかる待ち時間が長くなりがちであり、メインシステムのストレージには適さない。アーカイブデータであれば、待ち時間が問題になることはまずない。そのためアーカイブデータを長期間保管する用途で、テープは広く利用されている。(続きはページの末尾にあります)
データ保管のニーズが増大する中で、ガラスの素材を記録媒体に使用するストレージの研究開発が進んでいる。HDDやテープなど既存のストレージとは異なるその利点とは。
データをコスト効率よく保存できるストレージとして、テープの用途は広がっている。ただしテープを使うに当たって注意しなければならない点が幾つかある。HDD並みにはなれない、テープの短所とは。
企業は「テープ」の特性を生かすことで、データ保管に関するさまざまなメリットを享受できる可能性がある。意外に知られていない、テープの幅広い使い方を紹介する。
SSDはHDDほどには目立たないが、企業のデータ保管を支え続けているのが「テープ」だ。テープは製品が進化するのに合わせて、バックアップだけではないさまざまな用途に使われるようになっている。
テープは、2020年代になってもその役割を失うことなく、データ保管用のストレージとして広く使われている。HDDと対比しながら、テープが使われる3つの理由を紹介する。
テープストレージは決して“終わったストレージ技術”ではない。根強い需要があり、新製品や新技術が登場している。テープには、コスト以外にもさまざまなメリットがある。デメリットと共に紹介しよう。
近年、ストレージのイノベーション(技術刷新)としてガラスやセラミック、DNAにデータを保存する技術の開発が進んでいる。これらはテープの市場にどのような影響を与えるのか。
ストレージの技術が進化する中で、かつては定番だった「テープ」の競合が多様化している。その一つが「光ディスク」だ。テープに対して、光ディスクにはどのような特性があるのか。
過去には「終わり」を告げられたことがあるテープは、まだまだ健在だ。テープが企業向けのストレージとして古びない理由と、新たな進化を考える。
時代遅れのイメージが付きまとうテープストレージ。しかしそれは誤解だ。テープの強みと、それを引き出すこつは何か。昨今の動向とテープのメリットを踏まえて考える。
法人向けのテープストレージの規格としては、「LTO」(リニアテープオープン)と「IBM 3592」の2種類がある。テープ製品のベンダーが限られる中で、今後の供給体制を不安視する見方がある。
今後登場する新世代で、飛躍的な容量増加を遂げる見込みの「テープ」。これまでの中心だったバックアップや長期保存に加えて、新たな活用法が考えられるという。どのようなものなのか。
SSDやHDDと比較すると「テープストレージ」は脇役のストレージだった。今後はそうとは言えなくなる可能性がある。魅力の一つである容量の進化を含めて、なぜテープストレージが有望なのかを考察する。
テープストレージは時代遅れの存在なのではなく、むしろ今後の有望なストレージの候補に挙がるべき存在だ。テープストレージの未来は明るい。その理由とは。
さまざまなストレージがある中で、古くからある「テープ」装置が選ばれる理由とは何か。“枯れた”ストレージでありながら、進化を続けるテープ装置の魅力に迫る。
クラウドサービスが台頭することで「テープは死んでしまう」と考える人がいた。この見方には大きな間違いが含まれていた。何が問題なのか。
データ保管に関する悩みは時代とともに変わる。その変化の中で、再び「テープ」が脚光を浴びるようになった。その理由とは。
一時は「死んだ」と言われたテープは、復活の時を迎えた。テープが古くからあるストレージであることは確かだが、止まることなく進歩を続けてきたことも事実だ。
大容量の動画データを保存する場合、どのようなストレージが理想的なのか。動画データの保管において注意すべき点を踏まえつつ、検討すべきストレージのメリットとデメリットを考える。
目的のデータに直接アクセスするランダムアクセスの速度では、テープはSSDなどのフラッシュストレージやHDDにかなわない。しかし一部の業界は、依然としてテープを有用なストレージとして評価している。
例えば映画制作会社は、フラッシュストレージやHDDを利用するとコストの高騰が課題となるため、自社の映像をテープで記録していることがある。石油・ガス業界では、データの取得や移送、保管にテープを用いている企業は珍しくない。テープカートリッジは、石油の探鉱現場から、地理的に離れたデータセンターへとデータを移送するのに適したメディアだからだ。
テープはフラッシュストレージやHDDよりも容量単価を抑えやすい。そのため大容量かつ長期にわたるバックアップストレージやアーカイブストレージとして有力な選択肢になる。記録容量やデータ書き込み速度といったテープの性能は、向上を続けている。テープのオープン規格である「LTO」(Linear Tape-Open)は、通常2、3年ごとに性能が向上した新しいバージョンが登場する。
IT業界団体の電子情報技術産業協会(JEITA)は、「LTO-7」準拠のテープがデータを50年以上保存できると推定している。その耐久性から、アーカイブデータのストレージにも適している。簡単に移動させることができることもテープの強みだ。災害復旧(DR:ディザスタリカバリー)の際には、バックアップデータを記録したテープが、被災したデータセンターから十分に離れた距離にあれば、これを復旧に用いることができる。
ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃を防止する際に、テープがオフラインであることは大きな強みになる。ネットワークに接続されていないテープにサイバー攻撃を加えることは難しい。テープの安全性は、この点でクラウドサービスを超えるとの見方がある。市場にはクラウドベンダーのデータセンターにバックアップデータを格納できるクラウドサービス(クラウドバックアップ)が存在するが、インターネットに接続されている点で、テープよりもサイバー攻撃に遭いやすいからだ。
データの復旧速度は、テープよりもHDDの方が総じて早い。そのためHDDはバックアップに望ましい媒体としてテープに取って代わった。HDDはランダムアクセスがしやすいので、特定のデータを探すプロセスが迅速になる。
HDDを用いたバックアップ製品では、リアルタイムでバックアップを実施するのが一般的だ。一方でデータの読み取り速度や書き込み速度が低いテープのバックアップ頻度は低く、1日単位になることも珍しくない。そのため直近のバックアップをテープで取得するのは適切ではない。