デスクトップ変革──仮想クライアント、PCブレード、ゼロクライアントコンプライアンス対策に

VMwareの仮想デスクトップインフラストラクチャ、HPやClearCubeのPCブレード、そしてシンクライアントならぬゼロクライアントで注目されるPano Logicの製品を紹介する。

2007年11月28日 04時45分 公開
[Barb Goldworm,TechTarget]

仮想クライアント

 サーバ仮想化の普及が進み、IT担当者はサーバ統合や開発/テストのために仮想化技術を利用して成果を上げている。こうした中で多くの企業が、サーバだけでなくデスクトップにも仮想化を適用することに目を向けている。VMwareの仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)は、同社のVMware ESXVI3のようなサーバコンポーネントと接続ブローカを含むアーキテクチャを提供する。接続ブローカとは、シンクライアントやファットクライアントからサーバ上のゲスト仮想マシンで動作する仮想クライアントに接続して操作できるようにするもの。VDIアーキテクチャは、Windows XP、Windows Vista、LinuxなどのゲストOSをサポートしており、ユーザーはそれぞれのOS要件に応じてさまざまな仮想クライアントに接続できる(IT部門が接続ブローカにより、それを可能にしていることが前提)。

 また、多くの企業がWindows Vistaへの移行やWindows Vistaの大規模導入に必要なハードウェア要件を検討する中で、デスクトップ戦略全体を見直している。十分な機能を持つ仮想クライアント/デスクトップを用意する必要があるものの各ユーザー専用の物理デスクトップは必ずしも必要ない場合、VDIは大きなメリットをもたらす。またVDIは、完全分散型のソフトウェアモデルから、仮想クライアントとその上で使われるソフトウェアを集中管理するモデルへの移行を可能にする。こうしたソフトウェアはすべてデータセンターのサーバ上で動作するからだ。VDIはIBMやHewlett-Packard(HP)といった大手システムベンダーに支持されており、各社は自社のバックエンドブレードサーバやラックサーバ上でVMware ESXが稼働する構成を設計し、VDIの販売も行っている。

PCブレード

 仮想化技術と同様に、ブレード技術もデスクトップへの適用が進んでいる。データセンター内に設置されたシャーシにブレードを詰め込むブレードサーバのモデルを踏襲したPC/ワークステーションブレードが、多くのベンダーから提供されている。PC/ワークステーションブレードでは、それぞれ1台のPCとして機能するカード/ブレードが、データセンター内のシャーシに複数装着される。エンドユーザーは別の場所から、キーボード、ディスプレイ、マウスといったユーザーインタフェースを使って、ネットワーク経由で自分のPCを操作できるようになっている。

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