自社に最適なバックアップ環境の構築に頭を悩ませている管理者は多い。その解決策の1つとして、本稿ではNECと日本オラクルが共同提供するバックアップソリューションを紹介する。
TechTargetジャパンは2010年5月、ストレージ製品/ソリューションの利用状況に関する読者調査を実施した。その調査結果によると、「バックアップ/リカバリ環境を構築済み」という回答が全体の半数以上を占めた。また、今後導入を検討している環境としては「リモートバックアップ」「アーカイブ」という回答が多かった。災害復旧や法令順守などへのニーズの高さがその背景にあるといえる。
しかし、限られた予算の中で、自社に最適なバックアップ環境を構築することに頭を悩ませている担当者が多いのも事実だ。読者調査では、現在の環境への不満として「データ量の増加に対応できていない」「バックアップ処理に時間がかかる」という回答が多く見られ、特にストレージの拡張性や処理能力に対する不満を持っていると考えられる。
複雑化するシステムと増え続けるデータ量に対処するための解決策として、現在注目を集めているのが、「重複排除」技術を活用したバックアップ製品/ソリューションだ。データをストレージに保存する際に重複部分を自動的に検知・排除することで、世代管理された膨大なバックアップデータの容量を削減したり、バックアップ環境の構築・運用コストを削減するといった効果が期待できる。
そうした中、NECと日本オラクルは2010年11月、バックアップ業務の効率化を支援する「データベース超圧縮バックアップソリューション」の提供を開始した。本稿では、両社の製品担当者へのインタビューを交え、その概要と導入効果を紹介する。
両社が発表したバックアップソリューションは、NECのバックアップストレージ「iStorage HSシリーズ」と、日本オラクルのデータベース(DB)製品「Oracle Database 11g」のオプションである表圧縮機能「Oracle Advanced Compression」を組み合わせて提供するというもの。その参考価格は618万7500円(税別)から。
NECの第一ITソフトウェア事業部エキスパート 宇高淳也氏は、これらを組み合わせることで「ソフトウェア/ハードウェア両方から2段階の圧縮を図ることで、バックアップのデータサイズを“超”圧縮し、単体で使うよりも良い効果が得られる」と説明する。両社はある企業の基幹システムの実データを用いた検証を実施しており、その結果では「データ圧縮を全く行わない場合と比較して、バックアップ用ストレージに格納するデータ容量を約6分の1まで削減し、そのバックアップ時間を約半分に短縮できた」という。
このソリューションではDBサーバ上にOracle Databaseを構築し、Oracle Advanced Compressionでデータを圧縮してバックアップデータをiStorage HSシリーズに格納する。また、Oracle Databaseのユーティリティツール「Oracle Recovery Manager」(RMAN)を活用すると、バックアップ専用サーバが不要となる。
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