SSDへのデータ格納方法には、2つの基本的な実装形態がある。キャッシングとプライマリストレージだ。
本稿ではソリッドステートストレージ技術を利用したデータ格納の2つの形態について説明する。1つはソリッドステートドライブ(SSD)を利用したデータキャッシング、もう1つはプライマリストレージとしてSSDを利用するという形態だ。2つの実装形態の長所と短所、そしてどちらの手法が自社環境に適しているかを判断する方法についても解説する。
ソリッドステートストレージ技術、あるいはSSDが多くのデータストレージ担当者の注目を集めているのは、SSDを利用することでストレージシステムのパフォーマンスが劇的に改善する可能性があるからだ。SSDプロジェクトに取り組む際には、最初に2つの決定を行う必要がある。使用するハードウェアのフォームファクターとSSDにデータを格納する方法だ。
キャッシングというのは、コントローラー(ソフトウェア、サーバに組み込まれたRAIDコントローラー、ハイエンドの外部ディスクコントローラーなど)が、従来のディスクストレージの前に置かれるキャッシュとしてSSDを利用する手法だ。キャッシングコントローラーは頻繁にアクセスされるデータ(「ホットデータ」とも呼ばれる)を特定し、このデータを自動的にSSDメディアに移動する。キャッシングアルゴリズムはキャッシングコントローラーによって多少異なるが、最も高速なメディアにホットデータを置くことによってI/Oパフォーマンスを改善し、I/O遅延を減少させるというのが基本的な考え方だ。I/Oパターンは日々刻々変化するため、キャッシングコントローラーはどのデータが最も頻繁にアクセスされるかを自動的に監視し、それを最も高速なメディアに移動する。ユーザーや管理者による操作は不要だ。
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