富士ゼロックス、木質系非可食バイオベースプラスチックを開発NEWS

富士ゼロックスがABS樹脂を超えるウエルド強度を持ったバイオプラスチックを開発。環境配慮型製品開発の選択肢が増えることになりそうだ。

2011年09月15日 11時00分 公開
[原田美穂,TechTargetジャパン]

 富士ゼロックスは2011年9月14日、木質系非可食バイオベースプラスチック素材および部品の開発に成功したことを発表した。既に同素材の量産体制が整備されており、「今年度販売の商品に投入する予定」(富士ゼロックス 広報担当者)だという。

 同素材の開発・製品化では、射出成形向けの材料特性などの基礎研究については富士フイルムと、量産化および実用化についてはダイセルポリマーと協業している。

 プレスリリースによると、今回開発された新素材は、木質セルロースをベースにしたもので、石油資源を従来比40%削減できるという。

 同社ではセルロースと石油系材料の混合技術(アロイ技術)によって射出成形向けの流動性や柔軟性を確保しつつ、一定の強度を確保しているという。同社評価によると、特にウエルド強度においてABS樹脂以上の値を得られるとしている。また、UL規格V-2の難燃性も兼ね備えており、幅広い分野で利用できるとしている。

 バイオベースプラスチックとしては飼料用トウモロコシを原材料としたポリ乳酸による樹脂が一般的だが、ポリ乳酸系の素材のみでは、石油系樹脂の提供する特性全体をカバーし切れない領域がある。このため、近年では、ポリ乳酸以外の原料を使った代替素材の開発に注力するメーカーが増えている。

 同社でも、ポリ乳酸系樹脂の開発を継続しつつ、新たなバイオベースプラスチックの研究開発を進めていた。

関連ホワイトペーパー

富士ゼロックス | 環境保護


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news079.jpg

CMOが生き残るための鍵は「生産性」――2025年のマーケティング予測10選【中編】
不確実性が高まる中でもマーケターは生産性を高め、成果を出す必要がある。「Marketing D...

news023.jpg

世界のモバイルアプリ市場はこう変わる 2025年における5つの予測
生成AIをはじめとする技術革新やプライバシー保護の潮流はモバイルアプリ市場に大きな変...