従業員の異動のたびに、社内の全システムのIDやアクセス権限を手作業で変更するのは骨が折れる。こうした作業の効率化に役立つのが「統合ID管理製品」だ。その最新動向を解説する。
複数システムのIDを統合管理する「統合ID管理製品」。IDの作成や変更、削除といったライフサイクル管理の効率化に、統合ID管理製品は大いに役立つ。最近は、「クラウドの普及を踏まえて機能や提供形態にも変化が現れつつある」と、ガートナー ジャパンでセキュリティ担当リサーチ ディレクターを務める石橋正彦氏は指摘する。本稿は、石橋氏の話を基に、統合ID管理製品の最新動向を紹介する。
複数の社内システムに存在するIDやアクセス権限を一元管理し、人事異動や入退職に伴うIDやアクセス権限の変更内容を各システムへ自動的に反映する「ユーザープロビジョニング」。これを実現するのが、統合ID管理製品である。
国内では2006年ごろから統合ID管理製品の導入が進み始めた。「当時は、シングルサインオン(SSO)製品として訴求されることが多かった」と石橋氏は説明する。統合ID管理製品を使うと、複数システムのID/パスワードを共通化することも可能なためだ。
その後、2009年に内部統制報告制度(J-SOX)が整備され、システムの利用者を明確に把握する必要性が高まったことなどから、統合ID管理製品の導入が進んだという。こうした経緯は、SSO製品の導入が進んだ背景と同様である(参考:【製品動向】「付せんでID管理」を一掃するシングルサインオン(SSO))。
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