新しいセキュリティ機能が数多く実装されたWindows 8。ただし、安全性は完璧とはいえないようだ。Windows 8のセキュリティ機能を整理しつつ、脅威の実態を示す。
米Microsoftの新しいOS「Windows 8」のセキュリティ機能を検証する際、ITプロフェッショナルが主眼を置くのは、Windows 7と比べてどうかという点だ。
Microsoftは、Windows 8に新しいセキュリティ機能を幾つか追加した。だがマルウェア対策ソフトベンダーの報告によると、それでもまだWindows 8は、一般的なマルウェア群など、一部の攻撃に対して脆弱だ。
機械の設計や製造を手掛ける米Waltonen Engineeringのネットワーク管理者、ティム・ロビンソン氏は、「セキュリティはわれわれにとって、そしてセンシティブなデータを扱う者全てにとっての生命線だ」と話す。
米政府から多数の業務を請け負っているWaltonenのような企業には、特にそれが当てはまる。Windowsの脆弱性を1つでも悪用されれば、貴重な契約を失いかねないとロビンソン氏は言う。
Windows 8で強化されたセキュリティ機能の1つ「Secure Boot」は、ブートローダーとrootkit攻撃の防止を支援する(参考:Windows 8の「Secure Boot」を批判するLinux陣営)。さらに、ブートプロセスで正規のコードよりも前にウイルスがロードされるのを防ぐ「早期起動マルウェア対策」もサポートした。Secure Bootは、Windows 8でBIOSファームウェアに入れ替わった「Unified Extensible Firmware Interface」の仕様を活用している。
Windows 8にはこの他、Microsoftのウイルス対策エンジンが、セキュリティパッケージ「Windows Defender」の一部として組み込まれている。また、「アドレス空間配置のランダム化」「データ実行防止」など、Windowsの既存のセキュリティ機能も強化された。こうした技術には、メモリのどこに脆弱なシステムコードがあるか推定されるのを防ぐ狙いがある。
こうした技術により、攻撃者がWindows 7を制御するために使っていたメモリ悪用の手口の多くは、Windows 8に対しては通用しなくなるとMicrosoftは解説する。
こうした新しいセキュリティ機能があっても、Windows 8の安全性は完璧とはいえない。2012年10月下旬のWindows 8リリースから数日後、トレンドマイクロは、脆弱性を悪用する2種類のマルウェアを発見した。
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