仮想ファイアウォールやリソース管理が重要に
仮想化の脅威、「ハイパーバイザー攻撃」を防ぐ3つの対策
仮想環境のセキュリティ対策は、物理環境と共通する部分が多い。ただし、仮想環境特有の要素であるハイパーバイザーは別だ。その主要なセキュリティ対策を紹介しよう。
ハイパーバイザーのセキュリティ対策は、あらゆるデータセンターにおいて優先すべき課題だ。1台のホストサーバで何十もの仮想化されたワークロードを処理することもある。ホストサーバ1台でもセキュリティが破られれば、大規模な障害につながりかねない。残念ながら、単独でデータセンターのセキュリティ対策を保証できる包括的な手段は存在しない。優れたセキュリティ対策のためには、多面的なアプローチが必要だ。仮想サーバ環境をセキュアに保つためにやるべきことは多数ある。
対策1:攻撃対象を減らす
仮想データセンターのセキュリティ対策における最初の1歩は、ホストサーバの攻撃対象を狭めることだ。特に米MicrosoftのHyper-Vは、Windows Serverにロールとしてインストールされることも多く、攻撃対象を減らすことが重要になる。
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もし仮想化ソフトウェアを実行するホストサーバ(仮想ホスト)でホストOSを利用する場合、ホストOSには、不必要なロールや機能やアプリケーションがあってはならない。ホストOSは、Hyper-Vやウイルス対策ソフトウェア、バックアップエージェントといった重要なインフラ要素の稼働専用にする必要がある。
ハイパーバイザーのセキュリティ対策強化のためにできるもう1つの対策は、OSを実稼働ドメインに加えないことだ。その代わり、専用のActive Directoryのフォレスト(管理単位)に、仮想ホストの管理のみを目的とした専用の管理ドメインを作成する。この種のドメインを利用すれば、仮に仮想ホストのセキュリティ対策が破られた場合でも、実稼働ドメインを危険に晒す心配はなくなる。他にも、仮想ホスト管理ドメイン用に物理ドメインコントローラーを使う方法もある。
可能であれば、ホストOSの利用は避けるに越したことはない。やむを得ずホストOSを使う場合、米Microsoftは、攻撃対象領域が小さいという理由で、Windows Serverの中核機能のみで構成された「Server Core」の利用を勧めている。さらに、管理トラフィックを仮想マシン(VM)のトラフィックから切り離すには、ホストOSに専用の物理ネットワークアダプターを使うことが望ましいという。
対策2:仮想ファイアウォールの検討
仮想ファイアウォールとソフトウェアファイアウォールの使用も、ハイパーバイザーセキュリティ対策の強化に役立つ。
ほとんどのハイパーバイザーでは、VMと物理ネットワークは直接通信しない。VMは仮想スイッチに接続し、その仮想スイッチが物理ネットワークアダプターに接続する。この種のアーキテクチャでは、物理ネットワークアダプターを共有する全てのVMが共通の仮想スイッチを共有する。つまり、2台のVMが相互に通信する場合、パケットは必ずしも物理ネットワークを通過するとは限らない。
2台のVMが共通の仮想スイッチを共有していると、トラフィックは物理ネットワークを通過することなく、1台のVMからもう1台のVMへと直接流れる可能性がある。そのため、ハードウェアファイアウォールではパケットを検査するチャンスがない。この問題を解消する最善の方法は、仮想ファイアウォールを作成するか(自社の仮想プラットフォームにそのような機能が存在する場合)、または全てのVMにソフトウェアファイアウォールをインストールすることだ。
対策3:DoS攻撃を防ぐためのリソースコントロール
ハイパーバイザーのセキュリティを脅かす最大の脅威の1つが、サービス妨害(DoS)攻撃だ。仮想サーバ環境では、複数のVMが仮想ホストの限られたハードウェアリソースを共有している。もしVMの1つがハードウェアリソースを過剰に消費すれば、他のVMは適切に機能できなくなる可能性がある。この理由から、1台のVMにDoS攻撃を仕掛けて大規模障害を誘発させることは、攻撃者にとって比較的容易だ。
こうした攻撃から仮想環境を守る対策として、VMが1台で過剰な量の物理ハードウェアリソースを消費できないようにコントロールする方法がある。管理者は一般的に、メモリ消費に関してはこうしたコントロールを施しているにもかかわらず、他のハードウェアリソースについては同様のコントロールを怠っているケースが多い。
実際に管理者が実施できるコントロールは、ハイパーバイザーごとに異なる。だがほとんどのハイパーバイザーは、VMが消費できるメモリとCPU時間の上限を設定できるようになっている。
仮想データセンターのセキュリティ対策は、多くの点で物理データセンターのセキュリティ対策と共通する。物理環境に当てはまるセキュリティのベストプラクティスは、ほとんどが仮想環境でも有効だ。ただし、特に仮想ホストでホストOSが使われている場合は、ハイパーバイザーのセキュリティを守るために管理者が留意すべき点が幾つかある。
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