日本マイクロソフトはDWHアプライアンスの新版を発表。HadoopとDWHのデータを共通のSQLで操作できるのが特徴だ。加えて、Hadoopのクラウドサービスも提供する。
日本マイクロソフトは、大量データ分析関連の新製品/サービスを相次いで発売する。まず、2013年5月にはデータウェアハウス(DWH)アプライアンスの新版「Microsoft SQL Server 2012 Parallel Data Warehouse(以下、PDW)」を発売。同年第3四半期には、大規模データ処理基盤「Apache Hadoop」のクラウドサービス「HDInsight Service」を提供開始する。
PDWは、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)「Microsoft SQL Server 2012」で構築したDWHが管理する構造化データと、Hadoopで管理する非構造化データを共通のSQLで操作できるのが特徴だ。Hadoopの分散ファイルシステム「HDFS」のデータを、Microsoft SQL Server向けのSQLである「Transact-SQL(T-SQL)」で操作できるクエリエンジンを搭載。Hadoopのデータを仮想的なテーブルとして扱うことができる。
スケールアウトによる性能拡張が可能な超並列処理(MPP)型のアーキテクチャを採用。クエリ実行時やデータ取り込み時に複数ノードで並列にデータを処理することで、処理速度を高めた。ストレージ容量は15Tバイトから最大1.2Pバイトまで拡張可能。将来のバージョンアップで、最大容量を10Pバイトまで拡張可能にするという。
デルや日本ヒューレット・パッカードといったハードウェアベンダーと共同で販売する。クエリエンジンやMicrosoft SQL Server 2012といったソフトウェアと、サーバ/ストレージなどのハードウェアを組み合わせて提供。Hadoopディストリビューション(パッケージ)は含まない。ソフトウェアは日本マイクロソフト、ハードウェアはハードウェアベンダーと購入契約をする必要がある。価格は、15Tバイトの最小構成で3000万〜4000万円。
HadoopとDWHの連係を実現する製品は、サイベースや日本オラクルなど他ベンダーも提供している。「PDWは、HadoopとDWHの双方とも、複数ノードを使った高速並列処理を実現できることを強みとして訴求していく」(日本マイクロソフト アプリケーションプラットフォーム製品部部長の斎藤泰行氏)という。
もう1つのHDInsight Serviceは、日本マイクロソフトのクラウド基盤「Windows Azure」で動作するHadoopをネットワーク経由で利用できるサービスだ。2013年3月19日にプレビュー版を提供済みである。HDInsight Serviceの正式提供後、Windows AzureではなくWindows ServerでHadoopを動作させるオンプレミス版の「HDInsight Server」も提供予定だ。HDInsight Serviceの利用にはヘッドノードと1台以上の計算ノードの契約が必要で、料金は1時間当たりヘッドノード39.86円、計算ノード1台19.93円。
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