既存のWebシステム開発/実行基盤をPaaSとして提供。他のクラウドサービスとの連携性を高めるとともに、基盤上で稼働する業務アプリケーションをパートナー企業と共同で開発・提供する。
NTTデータ イントラマートは3月27日、エンタープライズ向けPaaS(Platform as a Service)「Accel-Mart」を発表した。2013年5月に試験運用を開始し、同年6月に本番稼働を予定している。
Accel-Martは、同社が2012年10月にリリースしたシステム基盤「intra-mart Accel Platform」(以下、iAP)をベースとしている。iAPは、Webアプリケーションサーバ「Resin」やJava EEフレームワーク「Seasar2」といったシステム開発・実行基盤と、ワークフローやBPM(Business Process Management)、ポータル、モバイル、ERP連携モジュールなどのコンポーネントで構成される。既に2500社以上の導入実績がある。Accel-Martでは、iAPのシステム開発/実行基盤やiAP上で開発された業務アプリケーション群をクラウドサービスとして利用する。
NTTデータ イントラマートの代表取締役社長 中山義人氏は、調査会社IDC Japanが発表した「2011~2016年の国内パブリック・クラウド・サービス市場に関する実績/予測」(2012年)の「今後PaaSが本格的な発展を遂げる」という予測を引き合いに出し、「PaaSの普及によってプライベート、パブリック、オンプレミスを融合するハイブリッドクラウドの展開が重要になる」と解説。その上で「iAPやAccel-Martによって、オンプレミス上の業務アプリケーションをクラウドに移行したり、アプリケーション間の連携を実現したりするなど、ハイブリッドクラウドへの展開を容易に実現できる」と説明した。
Accel-MartはオンプレミスのiAPや外部クラウドサービスとも連携可能で、同社の既存のユーザーはSSO(シングルサインオン)認証によって連携できる。
NTTデータ イントラマートのクラウド推進本部長 田中秀明氏は「Accel-Martは、企業活動をサポートする“情報蓄積”“情報分析”“業務統制”“業務改革”の機能をクラウドで提供する」と説明。特に「既存システムに対する機能の“補完”、ワークフロー/BPM基盤によるビジネスプロセスの“連携”、企業間やクラウドサービスとの“統合”などを実現する」と語った。Accel-Martは、NTTデータの「BizXaaSプラットフォームサービスFlex」とNTTコミュニケーションズの「BizホスティングCloudn PaaS」の上で稼働する。
またAccel-Martでは、NTTデータ イントラマートと同社のパートナー企業が開発する業務アプリケーションを「intra-mart Store」から順次提供する。NTTデータ イントラマートはパートナー企業とともに「Accel-Martコンソーシアム」を設立予定で、各種テンプレートの検討やアプリケーション間の連携、情報共有をしながら対応アプリケーションの拡充を進める。現在、提供予定のアプリケーションは以下の通り。これらのアプリケーションは、共通インタフェースと統合マスターによるデータ連携が可能だ。
Accel-Martは「プライベートクラウド」「パブリッククラウド」の2種類のクラウドに対応。今回は、他のユーザー企業とリソースを共用しないシングルテナント型のプライベートクラウド版(プライベートクラウドプラン)を提供する。マルチテナント型のパブリッククラウド版については2013年夏以降にリリースする予定だ。
Accel-Martのプライベートプランでは、利用規模に応じて4種類のリソースプランがあり、さらにiAP基盤の種類によって利用金額が異なる(下記以外にも個別見積もりのカスタムパッケージを用意)。
プラン名 | 想定利用者規模 | 月額料金(Advanced版搭載) | 月額料金(Enterprise版搭載) |
---|---|---|---|
Tiny | ~100人 | 17万5500円 | 19万6500円 |
Small | ~300人 | 25万2500円 | 27万3500円 |
Medium | ~700人 | 38万4500円 | 42万6500円 |
Large | ~1000人 | 48万5000円 | 54万7000円 |
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