テクノロジーの進展とともにビジネスを有利に遂行するための手段は年々充実している。だが、あらゆるツール/サービスのメリットを、取りこぼすことなく確実に享受するための施策が手薄になってはいないだろうか。
@IT情報マネジメントの記事から、情シスの社内プレゼンス向上に役立つコンテンツを再編集、あるいは新規書き起こしでお届けするPDFコンテンツ「TechTargetジャパン プレミアム」。その第5弾となる『クラウド、モバイル、セキュリティよりも大切なこと』をTechTarget ホワイトペーパーダウンロードセンターからダウンロード提供している。ぜひご活用いただきたい。
SaaS、IaaSは企業が迅速・柔軟なビジネス展開を図る上で格好の武器となった。だが同時にリスクも増大させた。ハードウェア/ソフトウェアを調達しやすい環境になった分、サービスの利用状況やライセンスを正確に把握していなければ、サービスが乱立して無駄なコストの増大を招く。既存インフラも同様だ。それと知らずにライセンス違反を犯し、億単位の賠償金を求められた例もあれば、情報システム部門が把握していないIT資産がセキュリティホールになってしまった例もある。
この課題をストレートに捉えれば、解決策は「IT資産の確実な管理」となろう。だが昨今、情報システム部門が置かれている状況を考えると問題はかなり根深いことに気付く。というのも、サービスやIT資産が乱立する原因の一端は、“なかなか対応してくれない情報システム部門に対するビジネスサイドの積年のいら立ち”にあるといわれている。だが結果として、業務現場はITガバナンスの乱れによって、コストやセキュリティ、コンプライアンス面で多大なリスクを抱えがちな状況になっている。
ビジネスサイドは安全かつ迅速、柔軟にITリソースが配備されることを望んでいる。そのためにはIT資産/サービスの確実な管理が大前提となる。事実、サービスを迅速・柔軟に利用できるとして構築の機運が高まりつつあるプライベートクラウドも、この「IT資産の一元的な管理・提供」が鍵になる。だが、この業務ばかりは完全に外注することは難しい――「情シスはもういらない」などと存在意義が危ぶまれている情報システム部門にとって、IT資産管理というテーマは存在意義を懸けて、もう一度見直してみるべきテーマといえるのではないだろうか。
「TechTargetジャパン プレミアム」第5弾となる『クラウド、モバイル、セキュリティよりも大切なこと』は、以上の課題認識を基に、IT資産管理に深い知見を持つ2人の識者にインタビュー。ITマネジメントの観点からIT資産管理の課題と実践のポイントをまとめている。
特に問題の根深さを感じさせるのは、「情報システム部門単独の問題ではない」という日本情報経済社会推進協会(JIPDEC) 情報マネジメント推進センター 副センター長、高取敏夫氏の指摘だ。同氏は「仮想化、クラウドの浸透によって、IT資産の一元管理が一層重要となっているが、各部門の協力がなければ棚卸しも難しく、取り組みには全社的な理解と協力が必要だ。つまり経営トップが全社をリードすることが鍵となる」と解説する。
着目すべきは、ビジネスサイドと情報システム部門の間に横たわる壁だという。JIPDECのソフトウェア資産管理(以下、SAM)に関する調査では、例年「SAMを実施する上での障害」として人材不足、予算不足が多く挙げられるが、「これもIT資産管理に対する経営層の理解不足を反映したものといえる」と分析する。
理解不足といえば「仮想化、クラウド=コスト削減」といった図式をうのみにし、運用管理スタッフを減らすなどして運用管理に支障を来たしてしまった例も多い。ソフトウェア資産管理評価認定協会(SAMAC)代表理事 篠田仁太郎氏は、「守りの施策に投じる予算は年々削られている。現場の担当者は管理の必要性を強く感じながらも、少ない予算、人件費の中で具体的な手を打てず、疲弊していくケースを数多く見受ける」と指摘する。IT資産を有効かつ安全に活用できない問題の根底には、そもそもITマネジメントに対するビジネスサイドの無理解もあるというわけだ。
では、インフラが複雑化している上、棚卸しすら難しい現実がある中で、今持っている/利用しているIT資産を有効かつ安全に生かすためにはどうすればよいのだろうか? 2人の識者が説く課題と実践のポイントから、IT資産管理が「単なるIT資産の数と種類の管理」ではなく、仮想化、クラウド、モバイル、セキュリティといった攻めと守りの施策を下支えし、その効用を左右するITマネジメントそのものであることを実感できるのではないだろうか。
テクノロジーの進展とともに、ビジネスを有利に遂行するための手段は年々充実している。だが、あらゆるツール/サービスのメリットに注目するあまり、そのメリットを取りこぼすことなく、確実に享受するための施策が手薄になってはいないだろうか。
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