「SDx=ソフトウェアで定義されたx」として最も有名な「SDN(Software Defined Networking)」。だが、その実態はいまいちつかみにくい。SDNとは何か。また、SDNに期待できる価値、そしてSDNをとりまく業界動向をリポートする。
SDN(Software Defined Networking)とは何なのか。どのような価値が期待できるテクノロジなのか。本稿では2013年10月15〜17日に開催された「ガートナーシンポジウム 2013」からガートナー ジャパン リサーチ部門 ITインフラストラクチャ&セキュリティ ネットワーク担当 リサーチ ディレクター 池田武史氏の講演「企業はSDNとどう向き合うべきか」をリポートする。
クラウドコンピューティングやサーバ仮想化の進展で、ITインフラはこれまでよりも一層、自由度の高い設計、柔軟で迅速な構成変更が求められるようになっている。また、モバイル端末の導入も企業のITインフラ構造に少なからぬ影響を及ぼしている。そうしたテクノロジの変革は、ネットワークにおいても例外ではない。従来のネットワークでは、ネットワーク機器の設置や配線などの物理的な構築作業、各種ネットワーク機器の設定など、煩雑な作業が伴う。こうした作業が今後いらなくなるわけではないが、クラウドや仮想化、モバイルといったテクノロジの変化のスピードについていくには、ベストエフォートで手作業中心のIPネットワークから、柔軟で素早いネットワークへと変わっていく必要がある。
こうしたネットワークへの変化の需要を受けて、ネットワークの設計、構築、運用を、物理的な作業ではなく、ソフトウェアで柔軟に設定できるようにしようとする取り組みがSDNだ。
SDNのアーキテクチャを理解するに当たり、ネットワークを大きく3階層に分けて考えてみる。
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