多くの企業が、「プライベートクラウド」を理解しておらず、正しく導入できていない。プライベートクラウドを導入するなら、本稿で紹介する10の事実を理解しておく必要がある。
現在、クラウドはあらゆる企業のテクノロジー管理戦略に不可欠な要素になっている。だが、周囲の雑音に耳を傾けずに、堅牢なクラウド戦略を立案するのは至難の業だ。
開発者やビジネスリーダーがパブリッククラウドを勧めるのは、安価だからではない。パブリッククラウドサービスから得られる自立性、機敏性、生産性を評価しているためだ。プライベートクラウドを目指すのであれば、開発者やビジネスリーダーが求めるこうしたエクスペリエンスを取り入れる必要がある。では、プライベートクラウドを運用すれば、優れたコスト効率を実現できるのだろうか。
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答えは「イエス」だ。プライベートクラウドには非常に多くのメリットがある(例えば、スケーラビリティ、コストの削減、開発者のイネーブルメントなど)。ただし、こうしたメリットのほとんどは、無条件で得られるわけではない。
テクノロジーを管理するチームは、クラウドサービスのプロバイダーとして信頼されなければならない。この意識の変化は簡単ではない。社内のテクノロジー管理チームは生来、楽観的で、コストの削減を優先する傾向があり、クラウドをビジネスの成功を加速するための新しいテクノロジーと捉えることはあまりない。
Forresterが推奨するのは、プライベートクラウドに関する10個の事実をテクノロジー管理チームメンバーに周知徹底してから、プライベートクラウド戦略の立案に取り掛かることだ。これによってプライベートクラウドの価値を最大限に引き出し、チームの力を結集できるようになる。
クラウドという名が付けられているからといって、その環境が実際にクラウドに価するとは限らない。Forresterの調査では、北米やヨーロッパの企業の29%がプライベートクラウドを導入していると答えたが、実際の導入率は非常に低く、プライベートクラウド環境の中核をなす、セルフサービスアクセス、リソースの追跡と監視、完全な自動化という3要素を実現している企業はほとんどなかった。
Forresterがアンケート、取材、電話インタビューを行ったところ、プライベートクラウドに対する4種類のアプローチが浮かび上がった。それぞれが非常に異なる戦略に基づくため、対象範囲も結果もさまざまだ。各戦略の優先順位、予算、規模、成功の鍵、ベンダー選択基準、課題などは大きく異なる。
浮かび上がったアプローチは、
の4種類だ。
テクノロジー管理への投資でここ10年重視されていたのは、運用効率の向上だった。しかし、現代の先進企業の関心は、新しいテクノロジーを活用して、競合他社との差別化を図ることに移っている。
古いものを修正して新しいものに合わせるのは簡単なことではない。これを同時に行うのは困難で時間がかかるプロセスだ。開発者はそれだけの期間を待てるのだろうか。既存の全ての仮想化されたリソースを対象とする過渡的なアプローチは、長期的な戦略としては強力になり得るが、遅々として進まない。効率化の長期目標を設定しながらも、短期的には製品グループやマーケティンググループにリソースを動的に提供することが重要になる。
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