英ノッティンガムシャー州議会は、モバイル端末の試験導入を開始。当初はiPadを試験導入したが、それを止めてWindows 8.1デバイスに切り替えることを決定した。その理由とは?
英ノッティンガムシャー州議会は、ソーシャルケア部門を手始めに、職員のモバイルデバイスを「Windows 8.1」に切り替える予定だ。
1年前、議会はモバイルの利用を開始し、それまで利用していた1000台のBlackBerryデバイスを補う形で米AppleのiPadを導入することに決めた。だが今回、AppleとBlackBerryの利用が見直され、Windows 8.1が選ばれた。
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多くの地方自治体と同じように、ノッティンガムシャーでも大幅な予算の削減を迫られており、2016〜2017年までに全体で1億5400万ポンドの削減を目指している。同州の「別のやり方をする」という政策の根幹をなすのがテクノロジーだ。ノッティンガムシャー州議会のICTサービス責任者であるアイバー・ニコルソン氏は、「削減と効率は創造的かつ革新的でなければならない」と話す。
ニコルソン氏は、現場のソーシャルワーカーに100台のiPadを支給するという最初の試験導入は成果を上げ、現場の仕事についてさまざまなことを知ることができたと言う。試験期間中にタブレットが支給されたのは児童担当と成人担当のソーシャルワーカーだったが、高速道路や貿易規範などを担当する現場職員の多くもタブレットを携行すれば成果が上がるだろうと同氏は考えている。
児童担当のソーシャルワーカーは、担当する家庭で週の3〜4日を過ごす。一方、成人担当のソーシャルワーカーは、自立した生活の支援や地域福祉のために家庭訪問を実施する。
iPadを携行するソーシャルワーカーは、Exchangeを使用して電子メールや予定表にアクセスできる。また、議会はミドルウェアプロバイダーの英Total Mobileのサポートを受けて、ソーシャルワーカーがモバイルデバイスを使って重要な情報や文書にアクセスできるようにした。
「ソーシャルワーカーは、アプリ全体をダウンロードすることなく、タッチスクリーンで事例の記録や書類を確認できる上、オフラインでの作業も可能だ」とニコルソン氏は話す。
同氏によれば、ソーシャルワーカーが行う評価プロセスが90分も短くなったという。この90分は、事例の記録のために議会と現場を往復していた時間だ。こうして事例の記録時間はタブレットによって大幅に短縮された。移動、時間、コストの点で20%の削減が見られ、生産性は16%向上した。
「無駄な時間が大幅に減った」とニコルソン氏は話す。「例えば、児童担当のソーシャルケアワーカーの場合、これまでは裁判所で数時間待機することがあり、これはただ待つだけの非生産的な時間だった」
また、タブレットは子どもとの対話の壁を取り除くすばらしいツールであることも明らかになった。「タブレットのペイントなどの機能を使えば、言葉を使わなくても気持ちが伝わる。予期せぬメリットだった」とニコルソン氏は言う。「成人担当のソーシャルワーカーも、タブレットで診療記録や家庭での適応状況を撮影できるようになり、便利になった」
議会は試験期間を2015年まで延長し、2000台のデバイスの導入を決めた。これを受けてニコルソン氏はiPadの継続を止め、Windows 8.1デバイスに切り替えることにした。
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