ナデラ体制になって新戦略を次々と打ち出すMicrosoft。今度は.NETのオープンソース化とVisual Studioの無償化。Microsoftは何を狙っているのか?
サトヤ・ナデラ氏が米MicrosoftのCEOに就任してから数カ月が経過し、同社はオープンソース化とクロスプラットフォーム化を着実に推し進めている。同社は2014年11月半ば、.NETをオープンソースコミュニティーに開放した。これにより.NETはWindows、Mac OS、Linuxで動作するクロスプラットフォームツールになる。同時に.NETのコアコンポーネントである共通言語ランタイム(CLR)がWindows、Mac、Linux用に提供される。また、オープンソース開発者にMicrosoftの「Visual Studio Professional」の無料版(「Visual Studio Community」)も提供する。
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.NETコアスタック、ランタイム、フレームワークライブラリは全てGitHub経由で提供される予定だ。
Microsoft首脳陣はIoT(モノのインターネット)に備えるためにさまざまな戦略を練っている。.NETのオープンソース化はその1つであると、英Ovumの主席アナリスト、リチャード・エドワード氏は指摘する。
IoTはクラウドベースのバックエンドサービスを利用する。現在のMicrosoftのソフトウェアライセンスモデルでは、IoTデバイスとサービスを開発する組織は、Windowsのバックエンドに接続する全てのIoTデバイスについてWindows CAL(クライアントアクセスライセンス)を購入しなければならない。Linuxに人気が集まるのはこのためだ。
.NETをオープンソースにすれば、組織やプログラマーがアプリケーション用に.NETベースのバックエンドを開発することを奨励できるというメリットもある。.NETがMicrosoft Azureへの足掛かりだとすると、.NETベースのオープンソースアプリケーションを同社のクラウドプラットフォームでホストする手段を持つ同社の立場は明白だ。
Computer Weeklyの読者は次のように意見している。「テクノロジーがWindowsから離れてオープンソース化されると.NET Frameworkの採用率は年々低下する。収益を確保する1つの方法はLinux、Macおよびその他のデバイス(Android、BSDなど)で.NETアプリケーションを開発できるようにすることだ」
Microsoftはほぼ間違いなく、Javaを保有する米Oracleとの差を縮めようとしている。Javaの「Write once, run anywhere」(一度プログラムを書けば、どこでも実行できる)という理念は、OracleがスマートTVからスマートカード、スマートフォンに至るまであらゆるものをサポートすることを可能にしている。
.NETのオープンソース化は、iOSとAndroidへの普及を促し、Microsoftのサポートがそれらのデバイスに拡張されることを意味する。
Microsoft開発部門の副社長S・ソマシガー氏はブログで、.NETの変化について次のように述べている。
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