「独占企業Google」に分社化を迫る欧州議会独占禁止法違反の調査も

Googleは検索市場における独占的な地位を利用して、他の事業にトラフィックを誘導しているのではないか? 欧州議会はGoogleの検索事業とそれ以外の事業の分離を目指す決議を採択した。Googleの対応やいかに?

2015年01月23日 08時00分 公開
[Warwick Ashford,Computer Weekly]
Computer Weekly

 欧州連合(EU)の欧州議会は2014年11月28日、加盟各国と欧州委員会(EC)に対して、EUのデジタル単一市場(digital single market)の成長を妨げる障壁を解消するよう要求し、決議を採択した。

Computer Weekly日本語版 1月21日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 1月21日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。


 この決議は明らかに米Googleに向けたものだ。欧州議会議員(MEP)たちは、インターネット企業がEUの独占禁止法を順守すること、検索エンジンと他の商業活動を組み合わせて同時に提供することを中止することによって優位な立場の乱用を防ぐことはぜひとも必要なことだと強調している。

 決議は賛成384票反対174票で採択された。この決議の中で、デジタル単一市場はEU経済に対して年間2600億ユーロの売り上げが見込めるもので、さらにEU内の競争を活性化させると期待されている。ただし同時に、決議ではこの市場に対する課題についても警告している。例えば市場の細分化や相互運用性の欠如などが挙げられる。さらに地域や政治体制によって利用できるテクノロジーに不平等がみられるので、このリスクをさらに解決する取り組みも必要だと指摘している。

 決議は「デジタル単一市場の競争的環境を確保するために、オンライン検索市場はとりわけ重要性が高い」と明言した上で、ECがオンライン検索業者に対して独占禁止法違反がないかどうかの調査に踏み切ったことを歓迎している。決議はさらにECに対して、「検索エンジン事業者が、検索と連携させている事業のマーケティングを乱用することのないように策を講じる」ように求めている。公正なオンライン検索結果を得ることの重要性を強調したものだ。

 欧州議会議員(MEP)たちは次のように主張する。「検索エンジンによるインデックス化、評価、表示、ランク付けは、偏りなく、透明性の高い結果が得られなければならない」

 Googleはヨーロッパで、オンライン検索市場において同社が圧倒的優位にあることを乱用しており、同社はユーザーが検索を実行した際のトラフィックを自社事業に誘導しているという申し立てがあった。そこでECはGoogleに対して4年間調査を実施する予定で、この2点が調査の核心となる。さらに、MEPはGoogleに対して以下の厳しい要求をしている。

ITmedia マーケティング新着記事

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...

news115.jpg

「TikTok禁止法案」に米大統領が署名 気になるこれからにまつわる5つの疑問
米連邦上院が、安全保障上の理由からTikTokの米国事業の売却を要求する法案を可決し、バ...

news077.jpg

「気候危機」に対する理解 日本は米国の3分の1
SDGsプロジェクトはTBWA HAKUHODOのマーケティング戦略組織である65dB TOKYOと共同で、「...