モバイルアプリのバックエンド機能をまとめて提供するMBaaSを活用することで、開発や管理の負担が大幅に低減する。本記事では、MBaaS主要プロバイダーの最新動向をまとめた。
これまでの10年をWebの時代とすると、これからの10年はモバイルの時代になるだろう。コンシューマーデバイスの爆発的普及とBYOD(私物端末の業務利用)というトレンドの受け入れが相まって、モバイルデバイスの使用がかつてない速さで広がっている。
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開発者は、さまざまな種類のデバイス、フォームファクター、OS、フレームワーク、ランタイムで動作するアプリを提供しなければならないというプレッシャーを受ける。
モバイルアプリ開発に長けた熱心な開発者であれば、Google PlayやApp Storeなどのマーケットプレースにアプリを公開し、自身のスキルを収益に変えることが可能だ。エンタープライズアプリの開発者は、既存の基幹業務アプリをモバイルプラットフォーム向けに開発する必要に迫られている。
この現象は、ハードウェアメーカー、プラットフォームサプライヤー、システムインテグレーターなど、このエコシステムに含まれるあらゆる企業に影響を与えている。
モバイルアプリ開発は、従来のデスクトップアプリやWebアプリの開発とは根本的に異なる。モバイルアプリは、モバイルデバイスの処理能力を考慮し、地理上の位置を特定するGPSや近距離通信(NFC)などのネイティブ機能を利用するように設計する。そのため、ローカルデバイスと一元管理されるサーバスタックの2つにアプリの実行を分割する独特な設計が必要になる。
全てのモバイルアプリには、デバイスで動作するユーザーエクスペリエンス層と、ロジック層とデータベース層をホストするバックエンドインフラがある。ほとんどのモバイルアプリは、ユーザー管理、データ管理、プッシュ通知、ソーシャルメディア統合など、主要なビルディングブロックサービスを利用している。
こうしたビルディングブロックサービスは、一元管理されたサーバスタック上でホストされ、サービスとして公開される。このようなホスト型のモバイルミドルウェアをMBaaS(Mobile Backend as a Service)という。
MBaaSは、サーバ側のインフラを完全に抽象化できることから、モバイル開発者にとっては頼りになる。開発者は、必要なビルディングブロックを集め、それらを結び付けるコードを記述するだけだ。これにより、開発者は味気ないバックエンドインフラの処理ではなく、リッチなユーザーエクスペリエンスの提供に専念できる。
当初、MBaaSは、共通のモバイルビルディングブロックサービスを提供することを目的としていた。だが、エンタープライズ分野での導入増加に伴い、市場はコンシューマー向けMBaaSとエンタープライズ向けMBaaSに分かれてきた。初期のMBaaS企業の1社である米Parseは、米Facebookに8500万ドルで買収された。その後、米PayPalが米StackMobを買収している(買収金額は公表されていない)。Facebookが多額の資金を投じてコンシューマー向けMBaaSに乗り出したことを受け、米AnyPresence、アイルランドのFeedHenry、米Kinveyなど企業は、企業顧客に視点を素早く移している。現在のトレンドからMBaaS市場は4つの領域に分けられる。
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