Microsoftは、IE8、IE9、IE10のサポートを終了する。ブラウザベースのアプリケーションを多く抱える企業は、社内アプリケーションの見直しが急務だ。
多くの企業のIT部門は今、大混乱に陥っている。米Microsoftが「Internet Explorer(IE)」の旧バージョンのサポートを終了させるからだ。
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2016年1月16日、MicrosoftはIE8、IE9、IE10のサポート、つまりセキュリティパッチの無償提供を終了する。「Windows 7」以降を使用している場合、ブラウザベースアプリケーションの動作環境として使えるのはIE11だけになる(訳注)。
訳注:「Windows 8」はIE11をインストールできないので、「Windows 8.1」か「Windows 10」にアップグレードする必要がある。
2014年、Microsoftは旧バージョンのIEでしか動作しないアプリケーションをIE11でも使えるようにする「エンタープライズモード」を導入した。2015年7月、同社はこのサポートを拡大し、名称を「IE7 エンタープライズモード」に改めた。
しかし、こんなブラウザ設定の変更は、レガシーWebアプリケーションをIE11で動作させるのに必要な問題回避策のほんの一部でしかない。IT部門が自ら調査して、互換性のないアプリケーションを特定しなければならない。
IT部門が現在直面している状況は、Microsoftが「Windows XP」のサポートを終了したときのそれによく似ている。企業を含めた大規模組織は、新バージョンに移行するか、あるいはMicrosoftにカスタムサポートを依頼するか、いずれにしても多額のコスト負担を迫られることになった。仮にカスタムサポート契約を結んだとしても、正式サポートの終了後は費用が倍増することになる。従ってIT部門は、別環境に切り替えるか、Microsoftに高額な料金を払うかを選択しなければならない。
IT部門は、ブラウザベースのアプリケーションを全て最新のIEで動作するようにしておかなければならない。
ブラウザ管理ソリューションを提供している新興企業、米Browsiumの代表を務めるゲイリー・シェア氏に、レガシーなブラウザ上でしか動作しない社内アプリケーションをサポートするために、企業のIT部門はなぜいつも問題に直面しているように見えるのかと尋ねたところ、同氏はこう答えた。「要するに技術の進歩だ。プログラミング言語は進化を遂げ、ブラウザは最適化され、昔の発想や流儀は限界に達したということだ」
限界に達した昔の発想や流儀に対処するため、ブラウザはそろそろ過去と決別する時が来ていると、同氏は主張する。そうしないとコードベースが(一般ユーザーの)支持を失い、全てを動作させるために重ねてきた改良が無駄になってしまうという。「企業内アプリケーションは、常にブラウザのバージョンアップの影響を受けてきた。その影響度はコンシューマー向けのWebサイトよりも大きい。社内アプリケーションの開発者は、作業に当たって『あらゆるユーザーをサポートしなければ』という発想は持たないからだ。アプリケーション開発者は、開発を開始した時点で使用しているブラウザのバージョンを使い続けることを前提として作業を進める。そして通常、ブラウザが将来進化したときに(自分たちが開発したWebアプリケーションが)どうなるかは考えない」
そこでシェア氏は、レガシーなブラウザアプリケーションをサポートしなければならない組織の支援サービスに特化した会社を立ち上げた。ブラウザ問題の影響範囲について、同氏はこう話す。「社内用Webアプリケーションが順調に稼働しているときに、われわれに連絡してくる顧客はいない。この問題は広範囲で発生している。ほとんどの企業にとって、自力でWebアプリケーションに手を加えることは無理な相談だから」
同氏は続けて、社内で稼働しているWebアプリケーションの全てを把握していないIT部門は多いと指摘する。
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