当面の対策は「不正なOfficeファイルを開かない」
Google スプレッドシートを悪用してマルウェア制御、サイバー攻撃の手口が進化(1/2 ページ)
犯罪集団Carbanakがサイバー攻撃の手口を進化させており、マルウェアの制御インフラとしてGoogleのクラウドサービスを利用していた可能性がある。
悪名高い犯罪集団Carbanakが、不正なOffice文書に仕込んだマルウェアを制御するためのインフラとして、Googleのクラウドサービスを使っていた可能性が浮上した。
Forcepoint Security Labsの上級セキュリティ研究者、ニコラス・グリフィン氏によると、「拡散されたマルウェアが仕込まれている『Officeファイル』」を検出する手口の一環で、「トロイの木馬化されたRTFファイル」を同社が発見した。
グリフィン氏はブログに次のように記している。「問題のスクリプト(VBScript)は、『Google Apps Script』と『Google スプレッドシート』『Google フォーム』のサービス間でコマンドを送受信する。ユーザーが感染するごとに、各被害者を管理するGoogle スプレッドシートのスプレッドシートが動的に作成される。このような正規のサードパーティーサービスを利用すれば、攻撃者はその中に身を隠すことが可能になる。Googleがホスティングしているそうしたサービスが、組織においてデフォルトの状態でブロックしている公算は小さい。従って、攻撃者が制御用チャンネルの確立に成功する公算は高い」(グリフィン氏)
Trustwaveのインシデント対応・コンピュータフォレンシック担当グローバルディレクター、ブライアン・ハッシー氏は、Carbanakと思われる集団が米国、カナダ、欧州を狙った「重大な攻撃の挙動」が観測されていると話す。
「攻撃者は被害者のネットワークに直接接続しなくても、自分たちのマルウェアや攻撃手法を更新できる。スクリプトやコマンドは、Googleのクラウドサーバで迅速かつ動的に更新できるため、攻撃の柔軟性を獲得できる。加えて、Googleのサーバは常時稼働していて、標準的なオープンポートを利用し、ブラックリストに載せることが極めて難しい。そうした全ての条件が整っているため、攻撃を仕掛ける上でも情報を抜き取る上でも非常に魅力的だ」。ハッシー氏はTechTargetにそう語った。
Forcepointの主席セキュリティアナリスト、カール・レナード氏によれば、この手口は「ありふれた光景の中に紛れ込む」行為に似ている。ほとんどの管理者は、Googleのトラフィックが不正行為にかかわっているとは考えない。
Impervaの製品マーケティング担当ディレクター、アジャイ・ウギララ氏によると、攻撃者は「攻撃を仕掛けるために他のデバイスやサービスを使う」ことが多くなったという。
「この傾向は、マルウェア『Mirai』を使ったDynに対する攻撃やリベリアへの攻撃など、2016年のDDoS攻撃で鮮明になった。現在もこれからも、IoTデバイスやオープンインターネットサービスの普及がサイバー犯罪集団に利用され、攻撃が仕掛けられる。どんなサーバやアプリケーション、デバイスでも、オープンなものや制御可能なものは、主に痕跡を隠す目的で、そしてそれほど経費が掛からないという理由から、攻撃を仕掛けるための道具としてサイバー犯罪集団に狙われる可能性がある」(ウギララ氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] 複雑化しがちな「SASE運用」 IT・医療・金融などの事例に見る導入成功の秘訣 -
製品資料
[フォーティネットジャパン合同会社] 「SD-WAN」導入で失敗しないための5つの重要事項 -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] VPNの代替候補「ZTNA」を理解できるようになる“3大要素”とは? -
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] すぐ分かる「SD-WAN」選定のポイント 成功企業はどんな成果を出した? -
製品資料
[SCSK株式会社] 「Dropbox」管理・運用の困りごと解決ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
みずほ証券が「液冷サーバ」を採用 1日3.6億件の計算を支えるための要件
-
4
SAP導入後も残る“Excel依存” 京急電鉄は「kintone」でどう解消した?
-
5
「有線LAN環境」に関するアンケート
-
6
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
7
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
8
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
9
RAGで「データをAIに送る」運用が限界を迎えている理由
-
10
IT製品の導入に関するアンケート「セキュリティ」編
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
7
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー